Bloodborne設定考察 Wiki
[
ホーム
|
リロード
|
新規
]
サイト内検索
:
[
差分チェッカー
]
[
アップローダー
]
【楽天スーパーDEAL】毎日更新・最大50%ポイントバック!!(広告)
Tweet
Top
> 最初の狩人、ゲールマン
最初の狩人、ゲールマン
の編集
***ローレンスの目的 [#bd66057b] カレル文字「獣の抱擁」で書かれている「獣の病の制御」をしようとして失敗したローレンス。 #br -''獣化のメカニズムと相反する所業'' ディレクター宮崎氏による獣化のメカニズムについて、人が持つ暴力的側面とそれを抑えつけている人間性のせめぎ合いが強ければ強いほど獣になるという。 常に人間としての理性が働くはずのものが効かなくなった状態が獣であり、獣の要素は普遍的に皆持っている。 そのうえでローレンスがやろうとした獣の病の制御を考えると、制御可能となった時点で獣の病は成立しなくなる。 すなわち''ローレンスは獣の病をヤーナムからなくそうとしたと考えられる。'' #br #br -''獣の真実と排他的なヤーナム'' ヤーナムで獣の病が広がり続けている原因として考えられるのは、ヤーナムは極めて排他的な文化であるということ。 外界から来た主人公は勿論、教会以外の狩人にも汚い言葉を浴びせるほど偏見と差別が横行している。 そして当然のことながら獣化した元人間に対しても容赦はしない。ヤーナムではまるで吊し上げのように獣を磔にしている自警団の者たちもいる。 しかし獣自体「血晶石の工房道具」やカレル文字「獣」のテキストからわかるように、生物という根本的な部分で獣は人である。 これらの点からヤーナムにおける偏見や差別の判断材料は外見に集約されていると考えられ、 見た目が自分たちと違うだけでヤーナムでは忌み嫌われる。 |結晶石の強化は、また武器の性質を様々に変化させる&br;それは、''血そのものが生き物を規定するように''&br;&br;(血晶石の工房道具)| #br |「獣」は、最初のカレル文字であり、同時に最初の禁字である&br;''血の発見とは、すなわち望まれぬ獣の発見であったのだ''&br;&br;(カレル文字「獣」)| #br -''獣のままで獣の病を消す'' 獣化のメカニズム、およびヤーナムの排他的な文化から、 獣化が蔓延している原因は、排他的が故に怒りや不安といった負の感情をより強く抱えているというヤーナムの文化そのものが起因していると考えられる。 その状況の中でローレンスがやろうとした獣の病の制御は、完治や解消といったものではなく獣の姿をしたまま獣の暴力的要素を無くす(制御する)ものであり、 それをヤーナムの外見による排他的な文化に当てはめると、''獣も人も同じ意識を持ち合わせた同一のものであるという真実をヤーナで曝け出す''ということになる。 (もっと言えばヤーナム市民に真実を理解させるという意味で「啓蒙を与える」という構図にもなる) 特にローレンスは初代教区長としての地位が既にあり、そんな人物が獣の姿でありながら暴力的では無い存在であることを証明してみせた場合、ヤーナムの人々の間に獣と人が同一であることを信じられる状況が生まれる。 人々の意識から獣に対する偏見等が無くなれば、同時に獣に対して過剰な恐怖心や恨み、怒りといったものが消え、獣の病という概念がなくなる。 獣の病の制御とは、ローレンスが身をもって証明してみせるからこそ、病を無くすことに繋がるものであると考えられる。 #br #br -''制御できないのも人間'' ローレンスの目論見が失敗した結末をもって、ローレンス自身が獣化について人間にはどうしようもできないものであるということを証明したという形になっている。 生物として獣と人が同一のものであるなら、''理性で抑えつけられなくなった獣もまた人であり、制御が出来るようならそれは人ではないとも言える。'' ローレンスは恐らく自分でも気づかないうちに、己を人ではない存在に見立ててしまっていたと考えられる。 #br #br #br
タイムスタンプを変更しない
#contents *資料 [#k7183f2e] #region(関連テキスト) -葬送の刃 | 最初の狩人、ゲールマンが用いた「仕掛け武器」&br;すべての工房武器の原点となるマスターピースであり&br;その刃には、星に由来する希少な隕鉄が用いられている&br;ゲールマンは狩りを、弔いになぞらえていたのだろう&br;せめて安らかに眠り、二度と辛い悪夢に目覚めぬように| -ゲールマンの狩装束 | 最初の狩人、ゲールマンの狩装束&br;&br;まだ工房はなく、日常の衣服を調整したものであるが&br;これが後の狩装束の原型になっていった&br;&br;狩人が、速さを重視し、狩装束はごく軽いものとする傾向は&br;ゲールマンと、彼の戦闘スタイルが源流にあるのだろう| -マリアの狩装束 | ゲールマンに師事した最初の狩人たち&br;その1人、女狩人マリアの狩装束&br;カインハーストの意匠が見てとれる&br;不死の女王、その傍系にあたる彼女は&br;だがゲールマンを慕った。好奇の狂熱も知らぬままに| -古びた狩人証 | 老ゲールマンの時代に発行された狩人証&br;もはや意味もなく、ただ過ぎし日を懐かしむものだ&br;&br;それは古い者たちの特権であり、侵すべきものではない&br;そっとしておこう。真にその遺志を継ぐものでなければ| -3本目のへその緒(捨てられた古工房) | 全ての上位者は赤子を失い、そして求めている&br;故にこれは青ざめた月との邂逅をもたらし&br;それが狩人と、狩人の夢のはじまりとなったのだ| -ビルゲンワースのメモ | ローレンスたちの月の魔物。「青ざめた血」| #endregion #region(台詞) |やあ、君が新しい狩人かね&br;ようこそ、狩人の夢に。ただ一時とて、ここが君の「家」になる&br;私は……ゲールマン。君たち狩人の、助言者だ&br;今は何も分からないだろうが、難しく考えることはない&br;君は、ただ、獣を狩ればよい。それが、結局は君の目的にかなう&br;狩人とはそういうものだよ。直に慣れる…&br;この場所は、元々狩人の隠れ家だった&br;血によって、狩人の武器と、肉体を変質させる。狩人の業の工房だよ&br;もっとも、今は幾つかの器具は失われているがね&br;残っているものは、すべて自由に使うとよい&br;…君さえよければ、あの人形もね…| &br; |今宵は月も近い。獣狩りは、長い夜になるだろう&br;もし獣が君の手にあまり、大きく恐ろしいのならば、聖杯を求めるとよい&br;かつて多くの狩人がそうしたものだ&br;聖杯は神の墓を暴き、その血は狩人の糧になる&br;…聖体を拝領するのだ…| &br; |聖杯の多くは、神の墓そのものにあり…&br;地上に持ち帰られた聖杯は、ごく少ない&br;その行方も分からないものばかりだが…&br;懐かしい狩人たちの話が、今もそのままであれば&br;聖杯の1つは、谷あいの市街に祀られているはずだ&br;だが、今やそこは…&br;獣の病が蔓延し、棄てられ焼かれた廃墟、獣の街であると聞く&br;…狩人に相応しいじゃあないかね| &br; |医療教会、今やそう呼ばれる血の医療者たちは&br;古い狩人、ルドウイーク以来、狩人の庇護者でもあり&br;独自の工房を持ち、武器を作った&br;…彼らの多くは、もはや狩人を忘れているようだが&br;それでも、それは狩人の役に立つものだ&br;だから君にも、先人たちの遺言を伝えておこう&br;「オドン教会を上りたまえ」| &br; -人形 | ゲールマン様にお会いしましたか?&br;あの方は古い狩人、そして狩人の助言者です&br;今はもう曖昧で、お姿が見えることもありませんが…&br;それでも、この夢にいらっしゃるでしょう&br;…それが、あの方のお役目ですから…| -寝言 | ん…、うう…&br;…ああ、ローレンス…ひどく遅いじゃあないか…&br;…私はもう、とっくに、老いた役立たずだよ…| #br | …ああ、ローレンス…ウィレーム先生…誰か、助けてください…&br;誰でもいい、解放してください…&br;…私は夢に疲れました。もう、この夜に何も見えないのです…&br;…ああ、誰か…ううう、ああ…| -選択肢 |…狩人よ、君はよくやった。長い夜は、もう終わる&br;さあ、私の介錯に身を任せたまえ&br;君は死に、そして夢を忘れ、朝に目覚める&br;…解放されるのだ&br;この忌々しい、狩人の悪夢から…&br;&br;(介錯に身を任せる)&br;…さらばだ、優秀な狩人&br;血を恐れたまえよ&br;&br;(任せない)&br;なるほど、君も何かにのまれたか。狩りか、血か、それとも悪夢か?&br;まあ、どれでもよい&br;そういう者を始末するのも、助言者の役目というものだ…&br;…ゲールマンの狩りを知るがいい&br;&br;(負け)…君、死を受け入れたまえよ&br;夜を解放されるのだから…&br;&br;(撃破)&br;すべて、長い夜の夢だったよ…| #endregion *考察 [#cbc3d825] 狩人の夢で主人公に助言する右足が義足の老人。 寝言からウィレームおよびローレンスとの関係が示唆されるが、ビルゲンワースの学徒であったかどうかは不明。 助言者という立場にいるが、彼自身は夢に居続けることに苦痛を感じ泣いている。 #br #br #br **思想の違う「狩り」[#rda2594c] 終盤、介錯を拒否したときに発する台詞「君も何かにのまれたか。狩りか、血か、それとも悪夢か?」から、 ''&color(Red){狩りに没頭することも、夢の中にいつまでも居座ることも、血に酔うことのどれにも当てはまらない存在を主人公に望んでいる};''ということになる。 #br #br -''弔いとしての「獣狩り」'' もともとゲールマンは彼の仕掛け武器「葬送の刃」という名前およびテキストから、獣狩りを弔いと位置付けているが、 ゲールマンから始まった他工房である医療教会ならびに火薬庫は、探求や娯楽といった弔いではない思想のうえで獣狩りを行っており、 ''ゲールマンの狩りの思想は継承されていない実情にある。'' |独自の工房を持ち、武器を作った&br;…彼らの多くは、もはや狩人を忘れているようだが| #br |ゲールマンは狩りを、弔いになぞらえていたのだろう&br;せめて安らかに眠り、二度と辛い悪夢に目覚めぬように&br;&br;(葬送の刃)| #br |今は亡き「火薬庫」は嘯いたものだ&br;「つまらないものは、それだけでよい武器ではあり得ない」&br;&br;(火薬庫の狩人証)| #br |彼らにとって医療とは、治療の業ではなく、探求の手段なのだ&br;病に触れることでしか、開けない知見があるものだ&br;&br;(教会の狩装束)| #br #br #br **狩人の夢の目的 [#rcb0142f] ゲールマンが考える「狩り(狩人)」の在り方を主人公に望むということは、&color(Red){''狩人の夢は正しい狩人を育てることが目的ということになる''};。 曖昧な助言で済ませるあたりは、「ただ獣を狩ればいい」「直に慣れる」という観点が反映されていると思われる。 #br #br -''介錯を受け入れる'' 獣狩りを終えたことを自覚し、必要以上の獣狩りあるいは殺戮行為を行わないことの証明と見なされる。 -''介錯を拒否する'' 拒否することは狩りないしは夢などに執着していると見なし、悪しき狩人として粛清対象と見なされる。 -''ゲールマンに攻撃を加える'' 無闇な暴力行為として、当然ながら悪しき狩人と見なされる。 #br #br 事実、狩人の夢を経験したと思われる''鳥羽の狩人アイリーン''および''古狩人デュラ''共にゲールマンの思想が反映された狩り行為を行っているが、 作中ではこの2名しか確認できていないうえ、うち1名は狩り自体をやめてしまっている。 そのため恐らくは''継承者不足という危機的状況''であると考えられ、主人公が狩人として招き入れられたのも、そういった背景が関係している可能性がある。 #br #br #br ***アイリーンとデュラについて [#mde70824] アイリーンとデュラの二人は狩人の夢の存在を示唆する台詞を言っており、もともと狩人の夢にいた人物であると考えられる。 #region(台詞) |「あたしはもう夢を見ない。死んだらそれっきりだからね」&br;&br;「あんた、まだ夢を見るんだろう?&br; …人形ちゃんに、ババアがよろしくってね…」&br;&br;(鳥羽の狩人アイリーン)| #br |「貴公、まだ夢を見るのだろう?であれば、あそこでよく考えなおすことだな」&br;&br;(古狩人デュラ)| #endregion #br -''狩り行為に共通する思想を持っている二人'' 血に酔った狩人を殺す役目を担うアイリーンは、その同志殺しを「尊厳」と共に行っており、決して快楽といったもので行っていない。 デュラは旧市街における獣の病の蔓延と、区画ごと焼き尽くそうとした教会による惨状に心を痛め、獣狩りをやめている。 二人とも対象に対してある種の敬意あるいは優しさをもっており、 それは狩られる側を想うが故に弔いとするゲールマンの思想と通じている。 #br #br #br ***獣狩りの必要性 [#l443db3f] アイリーンが担った狩人狩りと、デュラの狩人狩りには明確な違いがあり、 狩人狩りを「鳥葬」と位置付けたアイリーンと違って、デュラは怒りや憎しみ、哀しみによって見出した狩人狩りである。 #br #br -''デュラが火薬庫製の仕掛け武器を使う意味'' デュラの仕掛け武器である「パイルハンマー」はゲールマンの思想ではない狩りに娯楽性を求めた工房「火薬庫」のものである。 アイリーンと違って獣狩りを行うこと自体に拒否感を抱いたデュラにとって狩人は''尊厳や弔いを向けるような存在ではない''。 ある種の皮肉的な意味で選ばれたものの可能性がある。 #br -''獣狩りが必要不可欠な現状'' デュラが「愚かな男」と称される理由は、獣狩りが必要不可欠な処置として現状どうすることもできないからだと言える。 当然のことながら蔓延する獣化によって一般市民が殺されることも多くなる。獣狩り自体をやめてしまってはヤーナムには獣しかいなくなる。 獣狩りを放棄することは今を生きている健康な一般人を見殺しにすることと同じであり、獣狩り自体残虐行為である一方で必要不可欠な処置でもある。&br; #br #br デュラが抱いた心情ならびに行動は、そのまま''ゲールマンが掲げた弔いとして狩りということがいかに理解されづらく、精神的に辛いものである''かという表れでもあり、 それが狩人の人材不足に繋がっているとも考えられる。 #br #br #br **ローレンスとの関係 [#c4be0feb] 普段は姿を現さないが稀に寝言を言いながら眠っていることがあるゲールマン。 その寝言から医療教会の初代教区長であったローレンスと顔見知りであったことがわかる。 #br -''思想的に懇意している可能性'' 「ひどく遅いじゃないか」といった寝言からして、ゲールマンとローレンスは同じ思想、同じ目的で動いていたと考えられ、 ローレンスの帰りを待つことが彼が狩人の夢に留まり続ける理由であるとも考えられるが、同時にその状況を苦しみ「解放してください」とも語っている。 -''ローレンスの帰還によってゲールマンの役目は終わる'' ローレンスは獣化し既に帰らぬ者となっているため、彼が待ち望むローレンスの帰還は永遠に叶うことは無い。 ローレンスと考えが共通しているのなら、狩人の夢が正しい狩人を輩出するために存続しているとした場合、ローレンスの考えもそれに近いものであったということになる。 前述したとおり獣狩りは必要不可欠な行為であり、そのうえでゲールマンが唱える弔いとしての狩りが必要であるのなら、 ''ローレンスの帰りによってゲールマンの役目、正しい狩人の継承をする必要がなくなるということであり、'' ''すなわちローレンスの帰りをもってヤーナムから獣狩りをする必要がなくなった(病自体が無くなる)ことの証明ということになる。'' #br #br ***ローレンスの目的 [#bd66057b] カレル文字「獣の抱擁」で書かれている「獣の病の制御」をしようとして失敗したローレンス。 #br -''獣化のメカニズムと相反する所業'' ディレクター宮崎氏による獣化のメカニズムについて、人が持つ暴力的側面とそれを抑えつけている人間性のせめぎ合いが強ければ強いほど獣になるという。 常に人間としての理性が働くはずのものが効かなくなった状態が獣であり、獣の要素は普遍的に皆持っている。 そのうえでローレンスがやろうとした獣の病の制御を考えると、制御可能となった時点で獣の病は成立しなくなる。 すなわち''ローレンスは獣の病をヤーナムからなくそうとしたと考えられる。'' #br #br -''獣の真実と排他的なヤーナム'' ヤーナムで獣の病が広がり続けている原因として考えられるのは、ヤーナムは極めて排他的な文化であるということ。 外界から来た主人公は勿論、教会以外の狩人にも汚い言葉を浴びせるほど偏見と差別が横行している。 そして当然のことながら獣化した元人間に対しても容赦はしない。ヤーナムではまるで吊し上げのように獣を磔にしている自警団の者たちもいる。 しかし獣自体「血晶石の工房道具」やカレル文字「獣」のテキストからわかるように、生物という根本的な部分で獣は人である。 これらの点からヤーナムにおける偏見や差別の判断材料は外見に集約されていると考えられ、 見た目が自分たちと違うだけでヤーナムでは忌み嫌われる。 |結晶石の強化は、また武器の性質を様々に変化させる&br;それは、''血そのものが生き物を規定するように''&br;&br;(血晶石の工房道具)| #br |「獣」は、最初のカレル文字であり、同時に最初の禁字である&br;''血の発見とは、すなわち望まれぬ獣の発見であったのだ''&br;&br;(カレル文字「獣」)| #br -''獣のままで獣の病を消す'' 獣化のメカニズム、およびヤーナムの排他的な文化から、 獣化が蔓延している原因は、排他的が故に怒りや不安といった負の感情をより強く抱えているというヤーナムの文化そのものが起因していると考えられる。 その状況の中でローレンスがやろうとした獣の病の制御は、完治や解消といったものではなく獣の姿をしたまま獣の暴力的要素を無くす(制御する)ものであり、 それをヤーナムの外見による排他的な文化に当てはめると、''獣も人も同じ意識を持ち合わせた同一のものであるという真実をヤーナで曝け出す''ということになる。 (もっと言えばヤーナム市民に真実を理解させるという意味で「啓蒙を与える」という構図にもなる) 特にローレンスは初代教区長としての地位が既にあり、そんな人物が獣の姿でありながら暴力的では無い存在であることを証明してみせた場合、ヤーナムの人々の間に獣と人が同一であることを信じられる状況が生まれる。 人々の意識から獣に対する偏見等が無くなれば、同時に獣に対して過剰な恐怖心や恨み、怒りといったものが消え、獣の病という概念がなくなる。 獣の病の制御とは、ローレンスが身をもって証明してみせるからこそ、病を無くすことに繋がるものであると考えられる。 #br #br -''制御できないのも人間'' ローレンスの目論見が失敗した結末をもって、ローレンス自身が獣化について人間にはどうしようもできないものであるということを証明したという形になっている。 生物として獣と人が同一のものであるなら、''理性で抑えつけられなくなった獣もまた人であり、制御が出来るようならそれは人ではないとも言える。'' ローレンスは恐らく自分でも気づかないうちに、己を人ではない存在に見立ててしまっていたと考えられる。 #br #br #br **友との約束と本音 [#o4986846] 教室棟におけるメモからローレンスと狩人の夢に登場する「月の魔物」の関係が示唆されていること。 そしてそのローレンスと関りを持っていたと思われる台詞があるゲールマンを考えると、狩人の夢は二人が望んだものである可能性が高い。 #br -''夢に囚われ続けることの苦痛'' 獣の病が蔓延してどれほどの月日が経っているのかは不明だが、少なくとも獣狩りが必要であり続ける限り、彼は死ぬことも出来ずに夢の中で新たな狩人になる人材を待ち続けているということになる。 その先行きが見えない不安(実際のところローレンスは帰らぬ人となったため、半永久的に夢の中で狩人を待つことになる)から、彼は台詞通り「私は夢に疲れました」と嘆くようになったと思われる。 -''矛盾した言動と行動の真実'' 狩人の夢はゲールマンの思想(弔いとしての狩りを継承する)や助言者という立場であるところからして''最初の狩人であるゲールマンでなければ成り立たない。'' 介錯を拒否した際主人公に刃を向けるときも「そういう者を始末するのも、助言者の役目というものだ」と語っており、彼自身、助言者としての役目を全うしようとしている。 ローレンスの帰りを待っているような台詞からしても、彼が狩人の夢に絶望しつつも囚われ続ける理由はローレンスとの約束を果たすためだと考えられ、 友との約束を果たそうとする意志と希望の見えない状況の狭間にいる。 #br #br ***獣狩りに対する強い意志 [#j2267c24] ローレンスとの強い信頼関係からなるゲールマンの現状という経緯を想定した場合、 ゲールマンの獣狩りに対する意識、あるいは使命感は計り知れないものであると想像できる。 #br -''義足が表す意志の固さ'' 狩人の夢の中で狩りの在り方を助言するゲールマンの意志の固さを示すものとして考えられるのは、彼の右足が義足になっていること。 獣の病が蔓延しはじめ、狩人たちがヤーナムで獣狩りをしはじめた当初、獣の病は右足から這い上ってくるという迷信が流行したという。 多くの人が切羽詰まる獣の病の恐怖から逃れようとこの迷信を信じたことは想像するに難しくなく、 ゲールマンが今なお夢の中で囚われ続けローレンスの帰りを待ち、絶望しながらも助言者たる役割を担い続ける状況を鑑みるに、ある種の強い忠誠心が垣間見える。 そのうえで役割として全うするために、''絶対に獣化しないという決意''のもと、迷信ですら信用して自ら右足を切断したとも解釈できる。 |多くの狩人が獣を狩った、古い時代の装束&br;「獣血は右足から這いあがる」とは、当時の迷信であり&br;二重に巻かれたベルトはその名残であろう| |貧金の装飾具が特徴となる&br;当時、一部の狩人たちは&br;ある種の金属が獣血を祓うと信じていた&br;狩りの夜、人が何かに縋るのは当然のことだ| #br #br **漁村での出来事と現在の心境 [#i787b3b0] かつてビルゲンワースが起こした虐殺事件となんらかの関りがあった可能性があるゲールマン。 #br -''「好奇の狂熱」'' ゲールマンに師事したという女狩人マリアの装束のテキストから、漁村における虐殺事件にゲールマン自身も関わっていたとされ、それを「好奇の狂熱」とも表現している。 この表現からビルゲンワースが唱える脳に瞳を得た状態を確認するために起こした虐殺事件について、''ゲールマン自身も思想的に同調していたと読み取れる。''すなわち彼もまた好奇心と欲求から虐殺に参加したと。 そのことについてゲールマン自身の台詞で語られることはないが、狩人の悪夢における漁村を体験した後は人形の台詞によって曖昧ながらも語られ、 主人公によって幾分かは救われたような印象を受ける。 |ああ、狩人様。ゲールマン様の寝息が聞こえます&br;苦しそうないつもと違い、今宵は、とても穏やかなのです&br;…あの方に、僅かでも救いがあったのでしょうか…| #br -''物語上におけるゲールマンの罪と罰'' 人形の台詞からゲールマンは虐殺事件に関して罪の意識から文字通りの悪夢として長らく苦しんできたと読み取ることが出来る。 しかしながら「僅かでも救いがあったのでしょうか」と人形が言うようにゲールマンの中で漁村での一件すべてを水に流せるほどの救いが出来たのかどうかは疑問。 事実として夢の中で後先見えない煉獄にいる状態になっており、 一連の物語として見ると、''漁村での出来事に対する罰として今のゲールマンがいるという構図''にも読み取れる。 「呪いと海に底はなく」と語られたように、ゲールマンが犯した罪は、夢から解放される正真正銘の死を迎えない限り、罰は続く。 #br #br #br **父としての描写 [#xf998e21] 狩人の夢を主人公の一時的な「家」とも称したゲールマン。 現狩人の最初の人物としてありながら、狩人の夢の主の一人でもある。 #br -''父と多くの子供たち'' 最初の狩人として活躍し、今はその狩人のなんたるかを助言者という形で教えているゲールマンは、 表現上&color(Red){''全ての狩人の父と言っても差し支えない。''}; そんな彼から発祥した工房が後に枝分かれし、独自の路線を進み始めていったという状況は''狩人として大人になった我が子達''と言える。 しかしながら枝分かれした血の繋がりのないその狩人達は、ゲールマンの思想を継承することはなかった。 -''同じ失敗をする3人'' ビルゲンワース学長ウィレームは、自身が唱えた思考の瞳が教え子たちに理解されずに終わった。 ''「知識でもなく、哲学でもなく、外形ばかりを模する」''と学徒の服に書かれたように、彼らは後に漁村での悲劇を起こしてしまう。 ローレンスもまた同じ失敗をしている。 実験棟にて血の聖女として教会にいたアデラインは''「血の渇きを恐れたまえ」''と言うが、ウィレームからローレンス、そして教会へと伝わってきたとされる警句が、 一部では全く真逆の''渇きを恐れろ''という意味で伝わっていたことがわかり、思想的継承に失敗している。 3人共、&color(Red){''自らの意志や思想を継承する者たちの育成に失敗している。''}; -''主人公の父親'' 狩りを全うするためにヤーナムにやってきた主人公という流れの中でゲールマンは、''主人公の父親同然の存在''である。 狩人のなんたるかを実戦ありきで助言し、場所を提供して成長させる。そして狩人の夢を「家」と称し、やがて巣立ちを迎える主人公という意味では、 &color(Red){''プレイヤーが行ったゲームの全てがゲールマンにとっての子育て同然のものとも言える。''}; しかしこの作品がマルチエンディングであるように、''ゲールマンの意志と相反することを望む主人公自らの意志も描かれる。'' #br #br 同じ意志、同じ思想を継承する者を望む3人だが、 ゲールマンの場合はそれに縛られ、苦しみながら夢に囚われてもいる。 彼にとっての幸福は、果たして望み通り意志を継ぐことか、それともその役割から解放させることかはわからないままである。 *コメント [#d798b09f] #pcomment(,reply,10) &color(Red){''&size(20){※できるだけ改行は控えましょう。(不必要にEnterで行変えない!)};''}; &color(Red){''&size(20){※ツリー化を心がけましょう。(レス書き込む前に(&attachref(画像置場/radio.jpg,nolink,ラジオボタン);)をチェック!)};''}; #br