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ストーリー考察 のバックアップ(No.33)
ストーリー説明A
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| 手記や、人形・ゲールマンのセリフを根拠とする。 「忌々しい狩人の悪夢に囚われ、だが逃れたければ…」 ─ 狩人の夢にある手記 「君は、ただ、獣を狩ればよい。それが、結局は君の目的にかなう」 ─ ゲールマン 「獣を狩り…そして何よりも、あなたの意志のために」 ─ 人形 主人公は悪夢に囚われ、それは逃れるべきものである。 またセリフは、主人公本来の目的と獣狩りは別物であると示唆している。 |
| 3本の3本目。 |
| ローレンスたちの月の魔物。「青ざめた血」 |
| 上位者狩り。上位者狩り |
| ウィレーム先生は正しい。情けない進化は人の堕落だ |
| しかしオーバーロードの真の目的は、オーバーロードが仕える『オーバーマインド』という更なる上位者の意図するところにあった。 オーバーマインドは人類を更なる精神的な高みへと誘導し、自らの一部として取り込む事にあった。 オーバーロードは彼らの意を受けて人類を破滅から救い、人類が更なる存在へと脱皮する道筋を立てるために地球に派遣されたいわば産婆のようなものであった。 人類にその変化のきざしが訪れたとき、人類は過去の世代と断絶し、旧人類は滅亡への道を辿る。 旧人類が持つ個としての意識や感情といったものはオーバーマインドとは全く相容れない物だからだ。 最期の旧人類が新人類の『幼年期の終わり』を実況する中、オーバーロードは自らの故郷の星へと帰還するところで物語は幕を閉じる。 アーサー・C・クラーク著 『幼年期の終わり』について ![]() |
| 『人の進化は、次の幼年期に入ったのだ』 ─ トロフィー「幼年期の始まり」 |
のような脊索動物から始まる。*2それぞれのエンディングは平行に並んだ、等価なものではない。
エンドA「ヤーナムの夜明け」、エンドB「遺志を継ぐもの」、エンドC「幼年期の始まり」とすると、A→B→Cの順序があり、
その順に情報を読み取っていく必要がある。
「青ざめた血を求めよ。狩りを全うするために」と「獣の病蔓延の原因を潰せ。さもなくば、夜はずっと明けない」
この目的を示す2つのメッセージは、読み取り方がエンディングで異なる。
言い換えれば、エンドAで読み取ることのできる一次的な意味と、エンドCで読み取ることのできる二次的な意味がある。
エンドAでは今回限りの獣狩りの夜を終わらせ、主人公だけが夜明けを迎えることになる。
| 赤い月が近づくとき、人[と獣]の境は曖昧となり… |
| メンシスの儀式を止めろ。さもなくば、やがて皆獣となる |
| 狂人ども、奴らの儀式が月を呼び、そしてそれは隠されている 秘匿を破るしかない |
今回、主人公は獣狩りの夜を終わらせたが、ヤーナムはもう獣狩りの必要がなくなったのだろうか?
その答えはエンドBで明かされる。
エンドBはエンドAの裏面であり、続きである。
介錯を受け入れず、ゲールマンを倒すと、主人公はゲールマンの代わりとなってまた獣狩りの夜が始まる。*4
エンドA/Bでは青ざめた血を半分しか回収しきれておらず、狩りを全うできていない。
獣の病蔓延の原因を半分しか潰せておらず、獣狩りの夜はまた起こる。
ゲールマンが「全て長い夜の夢だったよ…」と言う通り、夜はずっと続いている。
これがエンドBの読み取り方ではないだろうか。
なぜエンドAおよびエンドBではまた獣狩りの夜が始まるのだろうか?
獣の病蔓延の原因は赤い月である。
そしてエンドBで分かる通り、月の魔物が現れる際に赤い月が現れる。
獣の病蔓延の原因はメンシスの儀式と、月の魔物なのだ。
HUNTED NIGHTMAREの読み取り方、
そして悪夢とは何を指すのか、を考えていきたい。
悪夢=獣狩りの夜=その原因の上位者たちを狩った。
これが悪夢の意味、HUNTED NIGHTMAREの読み取り方であると考えたい。
エンドAでは獣の病蔓延の原因、メルゴーの泣き声を止めることで悪夢を終わらせた。
エンドBでは悪夢の原因はメルゴーだけでなく、別のものがあることを示唆される。
エンドCでは悪夢の原因であるメルゴーと月の魔物両方をきちんと止め、悪夢を終わらせた。
以上のように、それぞれのエンディングは描写される内容が連続的であり
それぞれを並列に見るのではなく、ひとまとまりの物語として読むことができる。
エンドA、エンドB、エンドCと見るのではなく、はじまりからエンドCまでがブラッドボーンの物語だ。
反論:エンドAでは解放されているのに、エンドBでは解放されていないという解釈は矛盾があるのでは?
回答:エンドAとエンドBはそれぞれ別の物語であると考えます。
ブラッドボーンA、ブラッドボーンB、ブラッドボーンCのようにそれぞれの物語があり、
それぞれにおいて「青ざめた血」の定義が異なった上で、一貫性があります。
同氏はインタビューにおいて、「青ざめた血を求めよ」とはメンシスの儀式を止めることを意味すると答えています。
ここにおいて、「獣の病蔓延の原因を潰せ」「青ざめた血を求めよ」という2つの目的は
全て青ざめた血の空関連一つで説明され、月の魔物は全く関わってきていません。
エンドAで終わる物語は、青ざめた血の空の物語であり、それで完結しています。
月の魔物は認識されておらず、先のような認識論にのっとれば
ブラッドボーンAには月の魔物は存在しないということになります。
そのため主人公は何の問題もなく夜明けを迎えられることができました。
これに対して、エンドBでは月の魔物が登場します。
この点によって、エンドAとの差異が生まれることになります。
月の魔物は認識され、主人公は囚われることとなりました。
補足1. 「青ざめた血」の意味を走り書きを残した時点で知っていたかどうか。
知らなかったと考えるべきなようだ。
OPで輸血を受ける前に青ざめた血について聞いており、その様子からはほぼ無知であるように思える。
コメントにて
「主人公が青ざめた血の空や上位者の血という意味で青ざめた血と書いたとは思えない。輸血爺に尋ねるはずがない」
というものがあった。
答えとしては
「主人公は知らずに青ざめた血と書いた」「結果的に青ざめた血の意味は~だった」となる。
意味を知らないから、その意味にならない、ということにはならない。
結論から言えば、ブラッドボーンをプレイしているプレイヤー視点での発想をここでは取り扱っている。
主人公が知っていたかどうかというインゲーム的発想は取り扱わない。
なぜかというと、考察の骨子となるインタビューで宮崎がプレイヤー視点での解釈の仕方を述べているからである。
件の公式メッセージはプレイヤーが読み取るものであり、どう読み取るべきだったか、をインタビューにて答えている。
必然的に考察対象はプレイヤーの読解視点にならざるをえない。
あえてインゲームで考察を止めるなら、「主人公以外の誰かが青ざめた血という単語だけを伝えた」ということになるだろう。
伝達者自体も意味を知っていたかどうかは不確かである。
ビルゲンワース関係者の誰かが青ざめた血というワードを作り、それが巡り巡って主人公に伝わった。
まず前提として、Bloodborneの主人公には自由意志が存在している。
そして、プレイヤーはその主人公として目を覚ましたあと、どこへ行くかは自由だ。
ゲームシステム的な制限はあるが、最初に倒すボスも人それぞれだ。
エンディングを迎えると、主人公は最終的に獣狩りの夜を終わらせることになる。
プレイヤーによっては、テキストを読まずに気づいたらエンディング、ということにもなりえるが、ゲーム内での主人公の目的は二つ明示されている。
「青ざめた血を求めよ。狩りを全うするために」とは、主人公がおそらく手術を受ける前に、自筆で書いた走り書きだ。
それはゲーム開始直後に見つけることができる。
これを目的Aとする。
「獣の病蔓延の原因を潰せ。さもなくば、夜はずっと明けない」とは、狩人の夢で見られる手記だ。
これは目的Bとする。
主人公はさらに、狩人の夢でゲールマンから話を聞くことができる。
「今は何も分からないだろうが、難しく考えることはない
君は、ただ、獣を狩ればよい。それが、結局は君の目的にかなう
狩人とはそういうものだよ。直に慣れる…」
ゲールマンの言う通り、ただ道行くままに獣を狩り続けていれば、エンディングにたどり着くことができる。
だが、それでは「目的」が何であったのかは分からない。
そこで考察をしよう。
目的Aは、記憶を失う前に主人公が書いたメモで、恐らくゲーム開始時にはその意味を思い出すことができない。
プレイヤーももちろん、意味が理解できない。
しかし、ゲーム中で「青ざめた血」という言葉は何度か出てくる。
このwikiにも、キーワード「青ざめた血」として纏められているので、詳しくはそこを参照してほしい。
「青ざめた血」というのは、上位者の血を指す言葉でもあり、月の魔物を指す言葉でもある。
宮崎氏によれば、それを求めることはメンシスの儀式を止めることでもあるらしい。
だが、それは目的Bでも成さねばならないことである。
目的Bは、比較的理解しやすい。
「獣狩りの夜」とは、獣の病が蔓延する夜のことであり、蔓延させている原因を解決すれば、夜が明ける。と読み取れる。
では、病を蔓延させている原因とはいったい何なのだろうか。
それはゲーム内の手記などから読み取れる。
「赤い月は近く、この街は獣ばかりだ。きりがない もう何もかも手遅れ、すべてを焼くしかないのか」
これは旧市街で見つかるメモである。
「獣狩りの夜、聖堂街への大橋は封鎖された 医療教会は俺たちを見捨てるつもりだ あの月の夜、旧市街を焼き棄てたように」
この手記はヤーナム市街で見つかる。
旧市街は以前起きた、凄惨な獣狩りの夜に、医療教会によって焼かれたらしい。
そして、赤い月が近づいたのが、街ごと焼かざるを得ないほど、獣の病が蔓延した原因のようだ。
「赤い月が近づくとき、人の境は曖昧となり偉大なる上位者が現れる。そして我ら赤子を抱かん」
さらに、こんな手記もある。
ここから、赤い月が近づくと、人の境が曖昧になる(英語では人と獣の境、と明言されている)、上位者が現れる、赤子を抱く者が出る、という現象が起こることがわかる。
では、赤い月はなぜ近づいたのか?
過去、それが起こった原因は不明だが、少なくとも主人公が対峙する、今回の獣狩りの夜に関しては、手記がある。
「狂人ども、奴らの儀式が月を呼び、そしてそれは隠されている 秘匿を破るしかない」
「メンシスの儀式を止めろ。さもなくば、やがて皆獣となる」
メンシスという人たちが儀式を行っており、それが赤い月を呼んでいるらしい。
儀式を止めるためには、「悪夢の儀式は赤子と共にある 赤子を探せ。あの泣き声を止めてくれ」という手記があるように、
赤子、その泣き声を止めれば良いらしい。
ここで一度目的Bについて整理すると、獣狩りの夜を明けさせるために、メンシスの儀式を止めればいいようだ。
目的Aは、目的Bのその先にあるように感じられる。
青ざめた血を求めることが、狩りを全うすることに必要だ、ということであれば、
「青ざめた血を求める」ことは「儀式を止めること」でもあり、その先に目的Aの真意があるようだ。
ここで、エンディングについて見てみよう。全部で3種類ある。
いずれも儀式を止めたあと、狩人の夢でゲールマンと対面することにより発生する。
流れはこうだ。
獣の病蔓延の原因である、赤い月を呼んでいた、メンシスの儀式を止めたことによって、今回の獣狩りの夜は明けるようだ。
ゲールマンは主人公に、自分の介錯を受け入れ、夢から解放されるといい、と提言する。
そして、選択肢が現れる。
「介錯に身を任せる」 「任せない」
ヤーナムの夜明け
「介錯に身を任せる」を選んだ主人公は、ゲールマンに首をはねられ、狩人の夢で死ぬ。そして、ヤーナムの夜明けと共に目を覚ました。
これを選んだプレイヤーの思いも様々であろう。夢とはいえ、主人公が首を撥ねられることを選択するのだから。しかし、そのあたりはプレイヤー次第である。
これは目的Bの達成であるといえよう。
遺志を継ぐもの
「任せない」を選んだ主人公を、ゲールマンは「君も何かにのまれたか」と判断し、主人公へと襲い掛かる。
ゲールマンを倒した主人公は、狩人の夢に出た赤い月を見る。
そこから上位者と思われる異形の者が降りてきて、主人公を抱擁する。そして、新たな獣狩りの夜、主人公は人形が押す車椅子に揺られていた。
「また、獣狩りの夜が始まりますね」人形に声をかけられた主人公は、あのゲールマンのようだった。
一見バッドエンドだが、ここでも目的Bの達成条件は満たしており、今回の獣狩りの夜は明けた、と考える。
獣狩りの夜は何度も起こるものであり、主人公はゲールマンの役割を、遺志を受け継いだのだ。
プレイヤーによっては、ゲールマンが夢から解放されたがっていることを知っているだろう。
主人公は、その意思をくみ取り、ゲールマンを解放したのかもしれない。そのあたりはプレイヤー次第である。
ラストで始まった獣狩りの夜で、新しい狩人の導き手となるのだろう。
幼年期のはじまり
「任せない」を選んだうえ、「三本目のへその緒」というアイテムを三つ以上使っている場合に、このエンディングになる。
このエンディングにたどりついたプレイヤーは、偶然そのアイテムを使ったかもしれないし、教室棟にある手記を読んだのかもしれない。
ただ、やはりそのあたりはプレイヤー次第なのだ。
ゲールマンとの戦闘後、月の魔物に抱擁されるかと思ったその時、魔物は何かに気づいたように主人公を離し、襲い掛かってくる。
そしてそれを倒すと、人形が狩人の夢に転がっている上位者の赤子のようなものを拾い上げ、「狩人様」と声をかける。
これも目的Bは達成している。しかし、ほかの二つとは大きく違うところがある。
このエンディングで主人公は、目的Aの達成条件も満たしたのだ。それについては後述する。
この目的は、主人公(プレイヤーという意味ではない)自身の目的ではないように思える。
これはつまり、獣狩りの夜というサイクルのたびに、狩人の夢に依る狩人が成すべき目的である。
狩人の夢に、それが書いてあるという事実も、その裏付けである。
メンシスの儀式により、赤い月が現れた。⇒赤い月が近づくと、獣の病が蔓延する。⇒儀式を止めるには、赤子の泣き声を止める必要がある⇒メルゴーの乳母という上位者が、赤子を守護していたので、それを倒す。
これが目的B達成条件を満たすためのあらすじだろう。
メルゴーの乳母や、赤子、トゥメルの女王ヤーナムについては、ここでは考察しない。あくまで、おおまかなストーリー全体の考察を行うためである。
とにかく、夢に依る狩人としての目的はこれで達成できる。
しかし、目的Aの文章からするに、それは「狩りを全うする」ことと同じではないらしい。
儀式を止めるのは、その手段なのである。
「青ざめた血を求めよ。狩りを全うするために」。
いま、ここまで流れを見てきたうえで、もう一度この文章について考えてみよう。
「見たまえ!青ざめた血の空だ!」という手記があるように、
赤い月が近づいている時、空は青ざめた血のような色をしている。これも言葉の意味の一つであるらしい。
ゲーム開始時には、空に赤い月は出ていないように見えるが、
それは白痴のロマが儀式を秘匿していたからであり、まずそれを暴く必要がある。
そして、最後に儀式を止める。
しかし、それだけでは「狩りの全う」にはならないのだ。
一体、「狩りの全う」とは何を意味するのか?いままで獣狩りの夜を戦ってきた狩人たちは、誰もそれを成しえていなかった。
しかし、幼年期のはじまりENDで、主人公は狩りを全うしたと考えられる。
その根拠はどこにあるのかを論じるために、そもそもこの世界において「狩り」とは何なのかを考え、結論へいこう。
Bloodborneにおいて、たびたび「人間は獣である」、というメッセージが語られる。
設定から、獣性と呼ぶのが適当であろう。人は皆、獣性を持っている。
人のうちにある獣、それが何かの拍子で表に出てくる。それが「獣の病」なのだ。
とりわけヤーナムの血の医療や、それに準ずる行動が、それを助長するようであるが、
この世界の人間は、誰しもが獣になる可能性を秘めている。
その根本的な部分を解決しないと、獣性は永遠に人から消えない。
いくら狩人が戦っても、新しい獣が生まれる。
狩人もまた、獣になる。
そもそも血の医療はそれを助長しただけであって、病の原因ではない。
原因は、人が人であることなのだ。
そう、仕掛け武器では「獣」を本当に狩ることはできないのだ。
主人公は、青ざめた血を求めて、狩りを全うしようとしている。本当の意味での「狩り」を。
輸血を受ける前の主人公がどういう人物だったのか?
それはプレイヤーが各々考えることだが、主人公は獣を狩るためにやってきた。
赤い月が出ている時に、現れるものがある。
上位者だ。
上位者は、人には理解できない智慧を持っている。ステータス的には、それを主人公が得ると啓蒙として増えていく。
啓蒙が増えると、ステータスの獣性が減る。上位者の智慧は、獣性と相容れないものらしい。
では、上位者には、獣性がないのではないか。
基本的に、上位者は積極的に主人公に襲い掛かったりはしないように見える。獣のボスとは明らかに様子が違う。
白痴のロマが、瞳を授かる前にどんな風だったかは分からないが、
白痴であるということが、獣性の有無にかかわっていたのではないだろうか。
だから瞳を授かり、上位者になれた。広義でいえば、上位者とは白痴なのではないか?
上位者は、人間とは明らかに違う考え方を持っており、その動きも緩慢に感じる。獣性は感じられない。
ウィレームはそこに憧れたのでは?彼に象徴する目を覆うような装飾は、とても禁欲的に感じる。
自らの獣性を抑えることで、瞳を授かるに足る白痴であろうとしたのでは?
事実、主人公が会うことのできるウィレームは、白痴そのものだ。
そして、元来赤子とは、白痴のようなものではないだろうか。白痴の者は、まるで赤子のように見えないだろうか。あのロマのように。
しかし、白痴のようにみえる赤子には、赤子にしか見えない世界があるのでは?我々人間も、そこに憧れたりしないだろうか。
主人公は三本目のへその緒を使い、上位者の知恵、瞳を授かることにより、上位者たる資質を得た。
幼年期のはじまりENDで、月の魔物は主人公に上位者たる資質を感じた為、戦闘態勢を取ったのではないだろうか。
戦闘に勝利した後、主人公は上位者になる。「青ざめた血」である月の魔物を倒すことは、そのプロセスの終着点なのだ。
「青ざめた血を求めよ、狩りを全うするために。」とは、すなわち、
「上位者になれ。人から獣を消すために」。という意味ではないだろうか。
主人公が上位者になったことで、どんな影響が出るのかは分からないが、
上位者に獣性がないのなら、それは希望である。
上位者の赤子となった主人公は、昇華した人類の幼年期のはじまりである。
説Bは、Bloodborneのストーリー、その全体像を大まかに考察したものである。そこに記したものについて、さらに見解を深めた考察を、補足としてここに記す。
あくまでもこれは仮説であり、さらなる考察の発展の糧となればと思い、書くものである。
| 赤い月が近づくとき、人の境は曖昧となり 偉大なる上位者が現れる。そして我ら赤子を抱かん | ビルゲンワースの手記 |
| 悪夢の儀式は赤子と共にある 赤子を探せ。あの泣き声を止めてくれ | 隠し街ヤハグルの手記 |
| 赤い月が近づくとき、人の境は曖昧となり 偉大なる上位者が現れる。そして我ら赤子を抱かん | ビルゲンワースの手記 |
アメンドーズ、白痴の蜘蛛ロマ、星界からの使者、星の娘エーブリエタース、メルゴーの乳母、月の魔物、メルゴー、姿なきオドン、ゴース(ゴスム)さらに、これらの中で、「眷属」という属性をもった存在がいる。
白痴の蜘蛛ロマ、星界からの使者、星の娘エーブリエタースこれらは上位者の眷属であり、「偉大なる上位者」ではないと考える。事実、赤い月に呼応して現れたという描写はない。「偉大なる上位者」はそれらを除いた者たち、
アメンドーズ、メルゴーの乳母、月の魔物、メルゴー、姿なきオドン、ゴース(ゴスム)であるとする。この偉大なる上位者は、赤い月による現れる可能性のある存在である。
| 狂人ども、奴らの儀式が月を呼び、そしてそれは隠されている 秘匿を破るしかない | 隠し街ヤハグルの手記 |
| ああ、ゴース、あるいはゴスム 我らの祈りが聞こえぬか 白痴のロマにそうしたように、我らに瞳を授けたまえ | ミコラーシュ |
メンシス学派は、赤い月を呼び、ゴース(ゴスム)のような強い力を持った上位者を召喚することで、その存在から瞳を授かろうとしていた。そのために行ったのが、メンシスの儀式である。だが、メンシスの儀式で現れた上位者は、女王ヤーナムの子、メルゴーである。
| 全ての上位者は赤子を失い、そして求めている 故にこれはメルゴーとの邂逅をもたらし それがメンシスに、出来損ないの脳みそを与えたのだ | 三本目のへその緒(メルゴーの乳母) |
そのメルゴーを奪いに、あるいは守りに、偉大なる上位者、メルゴーの乳母が現れた。ミコラーシュ達、メンシスの学徒の遺体がミイラ化していることから、彼らがメンシスの悪夢を作ってからは相当な時間が経っていると思われる。元々彼らが意図的にメルゴーを呼び、その後さらにそれを餌として別の上位者を呼ぶ、というところまで考えていたのかは分からないが、今回の獣狩りの夜に、その原因となる儀式は始まった。それはおそらく再誕の広場辺りで行われた。そこに赤い月が現れ、メルゴーが現れたが、メンシスの悪夢へと移された。メルゴーの乳母も、それによってメンシスの悪夢にいるのだ。儀式を行ったのが誰なのか、正確には分からないが、メンシス学派の肉体はミイラになっているし、悪夢でもミコラーシュ以外の学徒は見かけない。トゥメル人の狂った女たち、鐘を鳴らす女が再誕の広場にいることから、彼女らが行ったのかもしれない。そして、彼女たちは赤い月から異形を呼ぶ。再誕者、あれはどういった存在なのだろうか?
| 狩人様。お待ちしておりました 間もなく夜明け…夜と夢の終わりですね …大樹の下で、ゲールマン様がお待ちのはずです | 人形 |
| …狩人よ、君はよくやった。長い夜は、もう終わる さあ、私の介錯に身を任せたまえ 君は死に、そして夢を忘れ、朝に目覚める …解放されるのだ この忌々しい、狩人の悪夢から… | ゲールマン |
| 全ての上位者は赤子を失い、そして求めている | 三本目のへその緒 |
メルゴーの乳母、姿なきオドン、月の魔物である。欲求を満たす方法は三者三様であるが、上位者の目的はそこにあるとして考える。月の魔物がここに挙げられていることに疑問を持つかもしれないが、それを解く前に、まずメルゴーの乳母と姿なきオドンについて、見ていこう。
| 全ての上位者は赤子を失い、そして求めている 姿なき上位者オドンもまた、その例外ではなく 穢れた血が、神秘的な交わりをもたらしたのだろう | 三本目のへその緒(アリアンナの赤子) |
| 「青ざめた血」を求めよ。狩りを全うするために | 自筆の走り書き | 一階病室 |
| 「青ざめた血」を2通りに解釈できる |
| ひとつは空の色。白痴の蜘蛛を倒し、メンシスの秘密の儀式を暴いたときの空の色 | これは「青ざめた血を求めよ」が儀式を暴き、それを止めることを指すという解釈につながる |
| (「上位者の血を指すというのは、違いますか?」という質問に対し)確かに、それがもう一つの解釈です。 |
| 「青ざめた血」はとある状態の月から現れるモンスターの別の名前 |
| メンシスの儀式を止めろ。さもなくば、やがて皆獣となる | 隠し街ヤハグルの手記 |
| 忌々しい狩人の悪夢に囚われ、だが逃れたければ 獣の病蔓延の原因を潰せ。さもなくば、夜はずっと明けない | 狩人の夢 |
| …私はもう、とっくに、老いた役立たずだよ… |
| 誰でもいい、解放してください… …私は夢に疲れました。もう、この夜に何も見えないのです… | ゲールマン |
| あの方は古い狩人、そして狩人の助言者です 今はもう曖昧で、お姿が見えることもありませんが… それでも、この夢にいらっしゃるでしょう …それが、あの方のお役目ですから… | 人形 |
| また、獣狩りの夜が始まりますね | 人形 |
| かつて学長ウィレームは「思考の瞳」のため、これを求めた 脳の内に瞳を抱き、偉大なる上位者の思考を得るために あるいは、人として上位者に伍するために | 三本目のへその緒(偽ヨセフカ) |
| 3本の3本目。 | 教室棟 |
狩人の助言者を操り、夢に依る狩人を獣狩りの夜の度に導き、それを終わらせられる存在にまで成長させる。そして、上位者たりえる存在となったならば、「青ざめた血」である自分を倒させることで、上位者の赤子に変態させる。これにより、上位者の赤子が生まれ、欲求は満たされ、それこそが目的なのだ。後述するが、それにより人の進化の段階も進んだ。しかし、それではあまりに自己犠牲的に思える。月の魔物はどのような上位者なのだろうか。
| 悪夢の上位者とは、いわば感応する精神であり 故に呼ぶ者の声に応えることも多い | 月のカレル文字 |
捨てられた古工房に、三本目のへその緒があり、狩人の夢のそれとそっくりの人形があること、ゲールマンが月の魔物に囚われていることから、ゲールマンが月の魔物を呼んだ、と想像するのは難しくない。そして囚われたのだろう。
| 白銀に輝く人形の涙から生じたそれは、静かな励ましに似て 継続的に生きる力、HPを回復し続ける効果がある それは制作者が人形に望み、しかし宿らなかったものだろうか | 涙の血晶石 |
人形をゲールマンが作ったと仮定するなら、彼は人形に生命を吹き込みたかった。それを望んでいた。それは叶わず、古工房で見られるように、人形はかすかに手の指を動かすだけだった。しかし、狩人の夢の人形は、啓蒙があれば動いているのを見ることができ、話もできる。ゲールマンの望みが叶ったといえる。月の魔物を呼んだことは、そこに起因するだろうか。
ゲールマンの望みを叶えた月の魔物は、優しい部類の上位者なのかもしれない。だとしても、自らの身を犠牲にするほどとは、上位者たちの「赤子を求める」という欲求は恐ろしいまでに強いのだろう。
| 我ら血によって人となり、人を超え、また人を失う | ウィレーム |
| ウィレーム先生は正しい。情けない進化は人の堕落だ | 教室棟の手記 |
| 幼年期のはじまり自ら上位者たる赤子となった証。人の進化は、次の幼年期に入ったのだ | トロフィー |
主人公は人間から上位者の赤子に変態した。おそらく偉大なる上位者になったと思われる。ロマと違い、眷属ではない上位者となったことで、人の進化は次の段階へ入った。まさに、ウィレーム達が望んでいたことである。
それは狩人の夢で起こり、今赤い月を介して移動する必要はない。おそらく赤い月を呼び出したり、赤い月によって呼び出されたりという偉大なる上位者の能力、特性は備えているのであろうが、ここでそれを使う必要はない為、赤い月が空にないのは当然ともいえる。
同じように、アメンドーズ、姿なきオドンも、本編中に存在しているが、赤い月の影響を受け、アメンドーズが目視できるようになる、といった現象は起こってはいるものの、やはり彼らに関連する赤い月は現れていないと思われる。
必ずしも上位者がいるところに必ず赤い月が存在し、赤い月があるところに上位者が存在する、というわけではないようだ。しかし、人にとっては赤い月は獣の病蔓延の原因にもなりえる名状しがたい恐ろしいものであり、やはり呼び出していい類のものではないだろう。
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