ストーリー考察 のバックアップ差分(No.12)
#contents *作中での主人公の行動 [#c5c16721] 主人公が一切喋らず、ナレーションもほぼ入らないため、どのような基準で行動しているかは分かりにくいが、 ゲーム内メモ(公式メッセージ)やNPCのセリフから、なぜ本編のような道筋を辿っていったかを知ることができる。 #br ''ヤーナム~オドンの地下墓'' 主人公は青ざめた血を求めてヤーナムへやってきた。 ギルバートに「青ざめた血」について尋ね、 血についての情報を独占している医療教会、その大元である大聖堂を訪ねるよう勧められる。 #br 同時に、狩人の夢にて ゲールマンから自身の目的のためにも獣狩りをするよう言われる。 また、狩人の悪夢から逃れるためには、獣の病蔓延の原因を潰す必要があるというメモを見つける。 #br ヤーナムでは重要な情報を手に入れることができた。 「あの月の夜、旧市街を焼き棄てた」。 #br ''オドン教会~旧市街'' 大聖堂への途中、オドン教会の地下で「ビルゲンワース」と「蜘蛛」について知ることになる。 ギルバートに「ビルゲンワース」について尋ねてみるが、知らないと言われる。 #br ゲールマンからは獣狩りの力を高めたいのなら、旧市街へ聖杯を取りに行くよう勧められる。 旧市街へ行く途中でアルフレートに出会い、「医療教会」「ビルゲンワース」について尋ね、情報を得ることができた。 旧市街では、「赤い月」と獣の病に関する手記を見つける。 「赤い月は近く、この街は獣ばかりだ」。 どうやら特別な月が存在しており、そんな月の夜に獣が大量発生するらしい。 #br ''教会の工房~聖堂街~地下牢'' ゲールマンにさらに、獣狩りに役立つ教会の工房へ行くことを勧められ、オドン教会を上ることになる。 教会の工房から聖堂街に出られ、今まで門に遮られていた場所にも行けるようになった。 #br 聖堂街を探索していると、今まで見たこともない大男がおり、ヤハグルへと連れ去られてしまう。 ヤハグルでは、 「狂人たちの儀式が月を呼んでいること、秘匿を破る必要があること」 「その儀式は赤子を必要とし、その泣き声を止める必要があること」を知る。 赤い月と獣の病、月を呼ぶ儀式とその秘匿、秘匿する存在ビルゲンワースの蜘蛛と情報が繋がってきた。 #br ''大聖堂~ビルゲンワース'' オドン教会や旧市街、ヤハグルのメモから、ビルゲンワースの蜘蛛の秘匿を破る必要があると分かり、ビルゲンワースへ赴くことにする。 大聖堂へは、ギルバートの勧めの他、合言葉のために向かうことになる。(聖堂街道中のメモ) ビルゲンワースで赤い月について、蜘蛛と儀式の秘匿について詳しく知る。 ロマを倒し、秘匿を破る。 #br ''ヤハグル~メンシスの悪夢'' ヤハグルで「メンシスの儀式」が獣の病蔓延の原因であると知り、それを止めにメンシスの悪夢へと赴く。 #br ''月の魔物戦'' 教室棟で青ざめた血と進化についてのメモを見つけ、青ざめた血とは何かを知る。 #br おそらく、以上が本編の流れである。 ヤハグルへ攫われることはプレイヤーの選択に委ねられている部分ではあるものの、 「見たまえ!青ざめた血の空だ!」は攫われることが前提であるメッセージであり、製作者側の意図した流れはこちらであると考えて良いだろう。 (青ざめた血の空について答えている[[インタビュー>青ざめた血]]を参照のこと。) *ストーリー説明A [#t764cf17] &color(Red){以下は推測を含む、ストーリーの解釈の一つである。(編者:ari)}; #br -''あらすじ'' 主人公は「狩りを全うするために」、「青ざめた血を求めて」ヤーナムへ来た。 しかし、「狩人の悪夢に囚われて」しまう。 まずはこの悪夢から逃れ、「獣の病蔓延の原因を潰す」必要があるようだ。 こうして主人公はこの2つの目的を求めて、ヤーナムを冒険することになる。 &br; +まず主人公本来の目的があること +その下位の目的・それを達成する手段として、獣狩り・獣の病蔓延の原因潰しがあると考える。 |手記や、人形・ゲールマンのセリフを根拠とする。&br;&br;「忌々しい狩人の悪夢に囚われ、だが逃れたければ…」 ─ 狩人の夢にある手記&br;「君は、ただ、獣を狩ればよい。それが、結局は君の目的にかなう」 ─ ゲールマン&br;「獣を狩り…そして何よりも、あなたの意志のために」 ─ 人形&br;&br;主人公は悪夢に囚われ、それは逃れるべきものである。&br;またセリフは、主人公本来の目的と獣狩りは別物であると示唆している。| #br -''本来の目的とは?'' 本来の目的は「青ざめた血を求め、狩りを全うする」こと。 それ以上でもそれ以下でもなく、ヤーナムへ来る前にその意味するところを知っていたかどうかは不明であるが、 以下の考察では、このゲーム(幼年期の始まりエンド)における「青ざめた血を求めよ」「狩りを全うする」が何を指していたのか を説明していきたいと思う。 &br; -''青ざめた血を求めよ'' 青ざめた血は上位者の血であり、月の魔物のこと。(([[青ざめた血]]、宮崎氏へのインタビュー参照)) インタビューにおいて宮崎氏は、青ざめた血は上位者の血であると答え、月の魔物の別名であると続けることから 青ざめた血は、上位者一般ではなく月の魔物の血である可能性が高い。 &br;また、教室棟2Fのメモを基にさらに考えを深めてみよう。 |3本の3本目。| |ローレンスたちの月の魔物。「青ざめた血」| |上位者狩り。上位者狩り| |ウィレーム先生は正しい。情けない進化は人の堕落だ| 「幼年期の始まり」エンドでは、''3本の3本目''のへその緒を消費した上で ''月の魔物「青ざめた血」''を''上位者狩り''すると、上位者へと''進化''する。 &br;以上のように教室棟2Fのメモは幼年期エンドのヒント集であると考え、 同エンドで実際に起こっていること、すなわち月の魔物を倒すという点に注目すれば、 「青ざめた血を求めよ」は''「月の魔物の血を求めよ」''と言い換えられるだろう。 &br;月の魔物の血を手に入れること、月の魔物の血の遺志を継承することで、主人公は赤子の上位者へと進化した。 青ざめた血を手に入れ上位者となることが、「狩りを全うするために」必要な条件である。 &br; -''狩りを全うする'' 「狩りを全うする」とは何かを考える前に、エンディング「幼年期の始まり」について理解を深めておきたい。 そして幼年期の始まりを考えるヒントとして、小説『幼年期の終わり』(アーサー・C・クラーク著)を紹介させてほしい。 &br; --幼年期の終わり あるときオーバーロードという宇宙人が地球へやって来て、地球人を支配・管理するようになった。 |しかしオーバーロードの真の目的は、オーバーロードが仕える『オーバーマインド』という更なる上位者の意図するところにあった。&br;オーバーマインドは人類を更なる精神的な高みへと誘導し、自らの一部として取り込む事にあった。&br;オーバーロードは彼らの意を受けて人類を破滅から救い、人類が更なる存在へと脱皮する道筋を立てるために地球に派遣されたいわば産婆のようなものであった。&br;人類にその変化のきざしが訪れたとき、人類は過去の世代と断絶し、旧人類は滅亡への道を辿る。&br;旧人類が持つ個としての意識や感情といったものはオーバーマインドとは全く相容れない物だからだ。&br;最期の旧人類が新人類の『幼年期の終わり』を実況する中、オーバーロードは自らの故郷の星へと帰還するところで物語は幕を閉じる。&br;[[アーサー・C・クラーク著 『幼年期の終わり』について>http://blogs.yahoo.co.jp/cicerostop/13699675.html]]| &br; --''幼年期の始まり'' 同著をもじったものが本作のエンディングの一つ「幼年期の始まり」であるとすると 幼年期の始まりとは、主人公の上位者化、新人類世代の始まりであり、旧人類世代の滅亡を意味する。 これに、トロフィーの説明文も加えて考えてみよう。 |『人の進化は、次の幼年期に入った』 ─ トロフィー「幼年期の始まり」| 人類の進化は、サルから始まり、原人へと進み、旧人へと進み、そうして現在の人類へと進んできた。 そして今、人類の進化は、ちょうど新人類へと移り変わる瞬間、新人類が生まれた瞬間にある。 新人類の時代の幼年期である。 これが「幼年期の始まり」の意味だと思う。 旧人類の時代の終わりであり、新人類はまだ赤子の段階であるが、これから新人類が台頭していくだろう。 &br; --''狩りを全うする'' ではこの「幼年期の始まり」がどう「狩りを全うする」ことに繋がるのか? 旧人類から新人類への移り変わり、すなわち''獣を持つ旧人類を終わらせる''、それが狩りを全うすることではないだろうか。 上位者の赤子となった主人公は、新たな人類である上位者の時代を築き、旧人類の時代を終わらせる。 旧人類はみな獣である。 肉体的な意味では獣化する点で獣であるし、精神的な意味でも、思考の次元が低く、獣である。((ミコラーシュ「我らの脳に瞳を与え、獣の愚かを克させたまえ」)) 「狩りを全うする」は"獣"狩りを全うする、と言えるだろう。 主人公の獣狩りはまだ続くのだ。 **3つのエンディング [#t2910c50] それぞれのエンディングは平行に並んだ、等価なものではない。 エンドA「ヤーナムの夜明け」、エンドB「遺志を継ぐもの」、エンドC「幼年期の始まり」とすると、A→B→Cの順序があり、 その順に情報を読み取っていく必要がある。 &br;「''青ざめた血を求めよ。狩りを全うするために''」と「''獣の病蔓延の原因を潰せ。さもなくば、夜はずっと明けない''」 この目的を示す2つのメッセージは、読み取り方がエンディングで異なる。 言い換えれば、エンドAで読み取ることのできる一次的な意味と、エンドCで読み取ることのできる二次的な意味がある。 ***エンドA [#kfa5f7c0] エンドAでは''今回限りの''獣狩りの夜を終わらせ、主人公だけが夜明けを迎えることになる。 &br; -''青ざめた血を求めよ。狩りを全うするために'' 宮崎氏によると「青ざめた血」は2つの解釈がある。 一つは青ざめた血の空であり、もう一つが前述した月の魔物である。 エンドAでは前者のみを手に入れたと解釈することができる。 すなわち、ロマを倒し、青ざめた血の空を手に入れた。 秘匿を破り、メンシスの儀式を止めることで今回の獣狩りを終わらせた、 狩りを全うした、というのがこのメッセージのエンドAにおける読み方である。 &br; -''獣の病蔓延の原因を潰せ。さもなくば、夜はずっと明けない'' 作中で示される通り、獣の病蔓延の原因は赤い月であり、それはメンシス学派が呼んでいる。 エンドAでは原因としてメンシスを潰し、主人公の夜は明けた、ということになる。 |赤い月が近づくとき、人[と獣]の境は曖昧となり…| |メンシスの儀式を止めろ。さもなくば、やがて皆獣となる| |狂人ども、奴らの儀式が月を呼び、そしてそれは隠されている&br;秘匿を破るしかない| &br; 今回、主人公は獣狩りの夜を終わらせたが、ヤーナムはもう獣狩りの必要がなくなったのだろうか? …その答えはエンドBで明かされる。 ***エンドB [#qc4d3089] エンドBはエンドAの裏面であり、続きである。 介錯を受け入れず、ゲールマンを倒すと、主人公はゲールマンの代わりとなって''また獣狩りの夜が始まる''。((エンドB時の人形台詞)) &br; -''青ざめた血を求めよ。狩りを全うするために'' エンドA同様、青ざめた血の空を手に入れ、狩りを全うした と思いきや、また獣狩りの夜が始まっている。 「主人公の今夜の狩り」を全うしただけで、言わば「獣狩りそのもの」を全うしてはいないのだ。 その意味で、青ざめた血の空を手に入れただけでは狩りを全うすることはできない、と言えるだろう。 &br; -''忌々しい狩人の夢に囚われ、だが逃れたければ&br;獣の病蔓延の原因を潰せ。さもなくば、夜はずっと明けない'' エンドAでは獣の病蔓延の原因を潰したように見えるが、実際はどうなのだろうか。 エンドBは、エンドAと同様にメンシスの儀式を止めたはずなのに、''主人公は夢に囚われたまま''である。 獣の病蔓延の原因であるメンシスの儀式を止めたなら、 ゲールマンの介錯を拒んだとしても夢から解放されるのではないだろうか。 その意味で、''獣の病蔓延の原因がメンシスの儀式だけではない''、と言えるのではないだろうか。 これがエンドAの裏ということである。 表向きは獣の病蔓延の原因を潰し、解放されたように見えるが、実は裏を見れば 獣の病蔓延の原因は潰せていないことが分かるのだ。 &br;これは、ゲールマンを倒さなかった場合には、主人公ではなくゲールマンの身に起こる事柄だと推測できる。 つまり、エンドAで主人公が解放された後、その続きでは、ゲールマンはまだ夢から出られず、また獣狩りの夜を迎えるのだ。 エンドAにおける主人公は(乳母を倒した点で優秀ではあるものの)以前の狩人と同様であり、 何度も繰り返される獣狩りの夜の一つを担っただけ、獣狩りのサイクルの一つを担っただけである。 獣狩りは終わらず、次の狩人に託される。 獣狩りのサイクルは、…前々回、前回、今回の獣狩り、次回、次々回…と続いていくだろう。 &br; エンドA/Bでは青ざめた血を半分しか回収しきれておらず、狩りを全うできていない。 獣の病蔓延の原因を半分しか潰せておらず、獣狩りの夜はまた起こる。 ゲールマンが「全て長い夜の夢だったよ…」と言う通り、夜はずっと続いている。 これがエンドBの読み取り方ではないだろうか。 //冗長。またトートロジーが多い。文章は簡潔にまとめましょう。 //まず第一に、主人公の書いたものは「青ざめた血を求めよ。狩りを全うするために」のみです。 //この走り書きからは「主人公は獣狩りの夜が永遠に起こらないことを狩りの全うとしている」などということは一切読み取れません。 //第二に、Bエンドにて主人公が夢に囚われたことは一夜の獣狩りが終わったことと関係ありません。これに関してはゲールマンと同じように月の魔物に囚われたとする考察が一般的ですね。ちなみにAエンドは解放されていますね。 //>獣の病蔓延の原因であるメンシスの儀式を止めたなら、ゲールマンの介錯を拒んだとしても夢から解放されるのではないだろうか。 //論理が成立しておりません。なぜメンシスの儀式を止めれば上位者である月の魔物の支配を拒絶できるのでしょうか。また、Aエンドは解放されていますが。 //第三に、これは注意です。文章を書くときは簡潔に論点をまとめること(特に同じことを何度も書かないように)。また、根拠を書いてから論理的に文章を構成すること。 //後者については文章を読む限り理解が及んでないようなので仕方ないとは思いますが、コメントで議論をしてから結論が出た事柄について文章を載せると幾分か形になります。 //文章を読む限り思いつく考えをそのままだらだらと書いているようなので、そういった文章を直接載せる前に、まずコメント欄で提示し議論してみましょう。 ***エンドC [#h9800171] なぜエンドAおよびエンドBではまた獣狩りの夜が始まるのだろうか? 獣の病蔓延の原因は赤い月である。 そしてエンドBで分かる通り、月の魔物が現れる際に赤い月が現れる。 獣の病蔓延の原因はメンシスの儀式と、月の魔物なのだ。 &br; -''青ざめた血を求めよ。狩りを全うするために'' エンドCでは宮崎氏の言う、2つの意味での青ざめた血を手に入れることができる。 青ざめた血の空と、上位者の血両方だ。 ロマを倒し、儀式の秘匿を暴いた空の色を手に入れ、メンシスの儀式を止めた。 上位者の血を手に入れ、赤子の上位者となった。 &br;しかしながら物語は青ざめた血を手に入れた段階で終わってしまっている。 その点で、「狩りを全うする」の意味は完全に解釈に委ねられている。 本考察では、その解釈を小説『幼年期の終わり』に基づいて行っている。 &br; -''獣の病蔓延の原因を潰せ。さもなくば、夜はずっと明けない'' 獣の病蔓延の原因であるメンシスの儀式を止め、月の魔物を倒した。 真の意味で悪夢を終わらせ、主人公だけでなくヤーナム自体を夜明けに導いた。 &br; -''HUNTED NIGHTMARE'' メルゴーの乳母と月の魔物を倒した際に表示されるメッセージだ。 メルゴーと月の魔物は空間としての悪夢を作り出した上位者たちであり、 それを倒したという意味で例のメッセージが表示されると考えるのは一つの読み取り方である。 それは読み取り方の一つであるが、もう一つの読み方がある。 「狩人の夢を作り出した月の魔物を狩った」、という解釈が一般的ではあるが、 延々と巡り終わらない''獣狩りの夜という名の悪夢''。 その原因であるメルゴーと月の魔物を狩った、という意味でHUNTED NIGHTMAREが表示される と考えるのはどうだろうか。 ***まとめ [#w5483d22] 以上のように、それぞれのエンディングは描写される内容が連続的であり それぞれを並列に見るのではなく、ひとまとまりの物語として読むことができる。 エンドA、エンドB、エンドCと見るのではなく、はじまりからエンドCまでがブラッドボーンの物語だ。 **説Aに対する反論・補足 [#y3664b1e] 反論:エンドAでは解放されているのに、エンドBでは解放されていないという解釈は矛盾があるのでは? 回答:エンドAとエンドBはそれぞれ別の物語であると考えます。 #br ブラッドボーンA、ブラッドボーンB、ブラッドボーンCのようにそれぞれの物語があり、 それぞれにおいて「青ざめた血」の定義が異なった上で、一貫性があります。 #br -''認識による存在の決定'' 認識されるかどうかによって事物の存在の有無が決まる、という考え方がデモンズソウルでは採用されています。 以下はデモンズソウルのネタバレになりますが、 デモンズソウルにおいて、ソウルとは世界を認識する力であり、ソウルが失われると思考が失われます。 そして、世界からソウルが失われると、認識される対象である世界も消失してしまいます。 この認識論が宮崎氏の中にあり、ブラッドボーンにおいても顔を出していると考え、 今回のエンディング解釈に採用します。 #br 同氏は[[インタビュー>宮崎インタビューまとめ#w35d162e]]において、「青ざめた血を求めよ」とはメンシスの儀式を止めることを意味すると答えています。 ここにおいて、「獣の病蔓延の原因を潰せ」「青ざめた血を求めよ」という2つの目的は 全て青ざめた血の空関連一つで説明され、月の魔物は全く関わってきていません。 エンドAで終わる物語は、青ざめた血の空の物語であり、それで完結しています。 月の魔物は認識されておらず、先のような認識論にのっとれば ブラッドボーンAには月の魔物は存在しないということになります。 そのため主人公は何の問題もなく夜明けを迎えられることができました。 #br これに対して、エンドBでは月の魔物が登場します。 この点によって、エンドAとの差異が生まれることになります。 月の魔物は認識され、主人公は囚われることとなりました。 #br -''啓蒙の多寡による説明'' ブラッドボーンにおいて、世界を認識する力は啓蒙として表現されています。 その点に着目すれば、主人公の啓蒙はA<B<Cの順に高くあると言えるでしょう。 それぞれの物語で主人公が認識する世界の量は増えているからです。 逆説的になりますが、啓蒙の多寡があったからこそ それぞれのエンディングに分岐したと考えることもできます。 &br;物語Aの主人公は、啓蒙を多く得られず、青ざめた血の意味を一義にしか認識できなかった。 物語Bの主人公は、啓蒙をある程度得たが、青ざめた血が空以外も指していることに気づく程度だった。 物語Cの主人公は、十分に啓蒙を得て、青ざめた血の意味を完全に認識していた。 *説B [#d4a0de6f] *ストーリー説明B [#d4a0de6f] -''前置き'' ''・前置き'' まず前提として、Bloodborneの主人公には自由意志が存在している。 そして、プレイヤーはその主人公として目を覚ましたあと、どこへ行くかは自由だ。ゲームシステム的な制限はあるが、最初に倒すボスも人それぞれだ。 そして、プレイヤーはその主人公として目を覚ましたあと、どこへ行くかは自由だ。 ゲームシステム的な制限はあるが、最初に倒すボスも人それぞれだ。 エンディングを迎えると、主人公は最終的に獣狩りの夜を終わらせることになる。 プレイヤーによっては、テキストを読まずに気づいたらエンディング、ということにもなりえるが、ゲーム内での主人公の目的は二つ明示されている。 「青ざめた血を求めよ。狩りを全うするために」とは、主人公がおそらく手術を受ける前に、自筆で書いた走り書きだ。それはゲーム開始直後に見つけることができる。これを目的Aとする。 「獣の病蔓延の原因を潰せ。さもなくば、夜はずっと明けない」とは、狩人の夢で見られる手記だ。これは目的Bとする。 #br 「青ざめた血を求めよ。狩りを全うするために」とは、主人公がおそらく手術を受ける前に、自筆で書いた走り書きだ。 それはゲーム開始直後に見つけることができる。 これを目的Aとする。 「獣の病蔓延の原因を潰せ。さもなくば、夜はずっと明けない」とは、狩人の夢で見られる手記だ。 これは目的Bとする。 #br 主人公はさらに、狩人の夢でゲールマンから話を聞くことができる。 '''「今は何も分からないだろうが、難しく考えることはない&br;君は、ただ、獣を狩ればよい。それが、結局は君の目的にかなう&br;狩人とはそういうものだよ。直に慣れる…」''' ゲールマンの言う通り、ただ道行くままに獣を狩り続けていれば、エンディングにたどり着くことができる。 だが、それでは「目的」が何であったのかは分からない。 そこで考察をしよう。 「今は何も分からないだろうが、難しく考えることはない 君は、ただ、獣を狩ればよい。それが、結局は君の目的にかなう 狩人とはそういうものだよ。直に慣れる…」 **2つの目的と青ざめた血 [#c2200461] -''目的Aについて、その1'' ゲールマンの言う通り、ただ道行くままに獣を狩り続けていれば、エンディングにたどり着くことができる。だが、それでは「目的」が何であったのかは分からない。そこで考察をしよう。 目的Aは、記憶を失う前に主人公が書いたメモで、恐らくゲーム開始時にはその意味を思い出すことができない。 プレイヤーももちろん、意味が理解できない。 しかし、ゲーム中で「青ざめた血」という言葉は何度か出てくる。 このwikiにも、キーワード「青ざめた血」として纏められているので、詳しくはそこを参照してほしい。 「青ざめた血」というのは、上位者の血を指す言葉でもあり、月の魔物を指す言葉でもある。 宮崎氏によれば、それを求めることはメンシスの儀式を止めることでもあるらしい。 だが、それは目的Bでも成さねばならないことである。 #br -''目的Bについて、その1'' ''・目的Aについて、その1'' 目的Aは、記憶を失う前に主人公が書いたメモで、恐らくゲーム開始時にはその意味を思い出すことができない。プレイヤーももちろん、意味が理解できない。 しかし、ゲーム中で「青ざめた血」という言葉は何度か出てくる。このwikiにも、キーワード「青ざめた血」として纏められているので、詳しくはそこを参照してほしい。 「青ざめた血」というのは、上位者の血を指す言葉でもあり、月の魔物を指す言葉でもある。宮崎氏によれば、それを求めることはメンシスの儀式を止めることでもあるらしい。だが、それは目的Bでも成さねばならないことである。 ''・目的Bについて、その1'' 目的Bは、比較的理解しやすい。「獣狩りの夜」とは、獣の病が蔓延する夜のことであり、蔓延させている原因を解決すれば、夜が明ける。と読み取れる。 では、病を蔓延させている原因とはいったい何なのだろうか。それはゲーム内の手記などから読み取れる。 「赤い月は近く、この街は獣ばかりだ。きりがない もう何もかも手遅れ、すべてを焼くしかないのか」 目的Bは、比較的理解しやすい。 「獣狩りの夜」とは、獣の病が蔓延する夜のことであり、蔓延させている原因を解決すれば、夜が明ける。と読み取れる。 では、病を蔓延させている原因とはいったい何なのだろうか。 #br それはゲーム内の手記などから読み取れる。 '''「赤い月は近く、この街は獣ばかりだ。きりがない もう何もかも手遅れ、すべてを焼くしかないのか」''' これは旧市街で見つかるメモである。 「獣狩りの夜、聖堂街への大橋は封鎖された 医療教会は俺たちを見捨てるつもりだ あの月の夜、旧市街を焼き棄てたように」 この手記はヤーナム市街で見つかる。旧市街は以前起きた、凄惨な獣狩りの夜に、医療教会によって焼かれたらしい。そして、赤い月が近づいたのが、街ごと焼かざるを得ないほど、獣の病が蔓延した原因のようだ。 「赤い月が近づくとき、人の境は曖昧となり偉大なる上位者が現れる。そして我ら赤子を抱かん」 さらに、こんな手記もある。ここから、赤い月が近づくと、%%%人の境が曖昧になる%%%(英語では人と獣の境、と明言されている)、%%%上位者が現れる%%%、%%%赤子を抱く者が出る%%%、という現象が起こることがわかる。 では、赤い月はなぜ近づいたのか?過去、それが起こった原因は不明だが、少なくとも主人公が対峙する、今回の獣狩りの夜に関しては、手記がある。 「狂人ども、奴らの儀式が月を呼び、そしてそれは隠されている 秘匿を破るしかない」 「メンシスの儀式を止めろ。さもなくば、やがて皆獣となる」 '''「獣狩りの夜、聖堂街への大橋は封鎖された 医療教会は俺たちを見捨てるつもりだ あの月の夜、旧市街を焼き棄てたように」''' この手記はヤーナム市街で見つかる。 旧市街は以前起きた、凄惨な獣狩りの夜に、医療教会によって焼かれたらしい。 そして、赤い月が近づいたのが、街ごと焼かざるを得ないほど、獣の病が蔓延した原因のようだ。 '''「赤い月が近づくとき、人の境は曖昧となり偉大なる上位者が現れる。そして我ら赤子を抱かん」''' さらに、こんな手記もある。 ここから、赤い月が近づくと、%%%人の境が曖昧になる%%%(英語では人と獣の境、と明言されている)、%%%上位者が現れる%%%、%%%赤子を抱く者が出る%%%、という現象が起こることがわかる。 #br では、赤い月はなぜ近づいたのか? 過去、それが起こった原因は不明だが、少なくとも主人公が対峙する、今回の獣狩りの夜に関しては、手記がある。 '''「狂人ども、奴らの儀式が月を呼び、そしてそれは隠されている 秘匿を破るしかない」&br;「メンシスの儀式を止めろ。さもなくば、やがて皆獣となる」''' メンシスという人たちが儀式を行っており、それが赤い月を呼んでいるらしい。 儀式を止めるためには、「悪夢の儀式は赤子と共にある 赤子を探せ。あの泣き声を止めてくれ」という手記があるように、赤子、その泣き声を止めれば良いらしい。 儀式を止めるためには、「悪夢の儀式は赤子と共にある 赤子を探せ。あの泣き声を止めてくれ」という手記があるように、 赤子、その泣き声を止めれば良いらしい。 ここで一度目的Bについて整理すると、獣狩りの夜を明けさせるために、メンシスの儀式を止めればいいようだ。 #br -''目的Aについて、その2'' ''・目的Aについて、その2'' 目的Aは、目的Bのその先にあるように感じられる。青ざめた血を求めることが、狩りを全うすることに必要だ、ということであれば、「青ざめた血を求める」ことは「儀式を止めること」でもあり、その先に目的Aの真意があるようだ。 目的Aは、目的Bのその先にあるように感じられる。 青ざめた血を求めることが、狩りを全うすることに必要だ、ということであれば、 「青ざめた血を求める」ことは「儀式を止めること」でもあり、その先に目的Aの真意があるようだ。 #br ここで、エンディングについて見てみよう。全部で3種類ある。 いずれも儀式を止めたあと、狩人の夢でゲールマンと対面することにより発生する。 流れはこうだ。 獣の病蔓延の原因である、赤い月を呼んでいた、メンシスの儀式を止めたことによって、今回の獣狩りの夜は明けるようだ。 ゲールマンは主人公に、自分の介錯を受け入れ、夢から解放されるといい、と提言する。 そして、選択肢が現れる。 「介錯に身を任せる」「任せない」。 #br 獣の病蔓延の原因である、赤い月を呼んでいた、メンシスの儀式を止めたことによって、今回の獣狩りの夜は明けるようだ。ゲールマンは主人公に、自分の介錯を受け入れ、夢から解放されるといい、と提言する。 そして、選択肢が現れる。「介錯に身を任せる。」「任せない %%%ヤーナムの夜明け%%% 「介錯に身をまかせる」を選んだ主人公は、ゲールマンに首をはねられ、狩人の夢で死ぬ。そして、ヤーナムの夜明けと共に目を覚ました。 これを選んだプレイヤーの思いも様々であろう。夢とはいえ、主人公が首を撥ねられることを選択するのだから。しかし、そのあたりはプレイヤー次第である。 これは目的Bの達成であるといえよう。 #br %%%遺志を継ぐもの%%% 「任せない」を選んだ主人公を、ゲールマンは「きみも何かにのまれたか」と判断し、主人公へと襲い掛かる。ゲールマンを倒した主人公は、狩人の夢に出た赤い月を見る。 そこから上位者と思われる異形の者が降りてきて、主人公を抱擁する。そして、新たな獣狩りの夜、主人公は人形が押す車椅子に揺られていた。「また、獣狩りの夜が始まりますね」人形に声をかけられた主人公は、あのゲールマンのようだった。 一見バッドエンドだが、ここでも目的Bは達成していると考えられよう。獣狩りの夜は何度も起こるものであり、主人公はゲールマンの役割を、遺志を受け継いだのだ。プレイヤーによっては、ゲールマンが夢から解放されたがっていることを知っているだろう。主人公は、その意思をくみ取り、ゲールマンを解放したのかもしれない。そのあたりはプレイヤー次第である。 「任せない」を選んだ主人公を、ゲールマンは「きみも何かにのまれたか」と判断し、主人公へと襲い掛かる。 ゲールマンを倒した主人公は、狩人の夢に出た赤い月を見る。 そこから上位者と思われる異形の者が降りてきて、主人公を抱擁する。そして、新たな獣狩りの夜、主人公は人形が押す車椅子に揺られていた。 「また、獣狩りの夜が始まりますね」人形に声をかけられた主人公は、あのゲールマンのようだった。 #br 一見バッドエンドだが、ここでも目的Bは達成していると考えられよう。 獣狩りの夜は何度も起こるものであり、主人公はゲールマンの役割を、遺志を受け継いだのだ。 プレイヤーによっては、ゲールマンが夢から解放されたがっていることを知っているだろう。 主人公は、その意思をくみ取り、ゲールマンを解放したのかもしれない。そのあたりはプレイヤー次第である。 ラストで始まった獣狩りの夜で、新しい狩人の導き手となるのだろう。 #br %%%幼年期のはじまり%%% 「任せない」を選んだうえ、「三本目のへその緒」というアイテムを三つ以上使っている場合に、このエンディングになる。 このエンディングにたどりついたプレイヤーは、偶然そのアイテムを使ったかもしれないし、教室棟にある手記を読んだのかもしれない。 ただ、やはりそのあたりはプレイヤー次第なのだ。 ゲールマンとの戦闘後、月の魔物に抱擁されるかと思ったその時、魔物は何かに気づいたように主人公を離し、襲い掛かってくる。 そしてそれを倒すと、人形が狩人の夢に転がっている上位者の赤子のようなものを拾い上げ、「狩人様」と声をかける。 空は、赤い月がでている時と同じ色だ。 #br これも目的Bは達成している。しかし、ほかの二つとは大きく違うところがある。 このエンディングで主人公は、目的Aも達成したのだ。それについては後述する。 #br このエンディングにたどりついたプレイヤーは、偶然そのアイテムを使ったかもしれないし、教室棟にある手記を読んだのかもしれない。ただ、やはりそのあたりはプレイヤー次第なのだ。 -''目的Bについて、その2'' ゲールマンとの戦闘後、月の魔物に抱擁されるかと思ったその時、魔物は何かに気づいたように主人公を離し、襲い掛かってくる。そしてそれを倒すと、人形が狩人の夢に転がっている上位者の赤子のようなものを拾い上げ、「狩人様」と声をかける。空は、赤い月がでている時と同じ色だ。 これも目的Bは達成している。しかし、ほかの二つとは大きく違うところがある。このエンディングで主人公は、目的Aも達成したのだ。それについては後述する。 ''・目的Bについて、その2'' この目的は、主人公自身の目的ではないようだ。これはつまり、獣狩りの夜というサイクルのたびに、狩人の夢に依る狩人が成すべき目的である。狩人の夢に書いてある事実も、その裏付けである。 これだけなら、「ヤーナムの夜明け」、「意思を継ぐもの」、の二つのエンディングで達成している。 この目的は、主人公自身の目的ではないようだ。 これはつまり、獣狩りの夜というサイクルのたびに、狩人の夢に依る狩人が成すべき目的である。 狩人の夢に書いてある事実も、その裏付けである。 これだけなら、「ヤーナムの夜明け」、「遺志を継ぐもの」、の二つのエンディングで達成している。 #br メンシスの儀式により、赤い月が現れた。⇒赤い月が近づくと、獣の病が蔓延する。⇒儀式を止めるには、赤子の泣き声を止める必要がある⇒メルゴーの乳母という上位者が、赤子を守護していたので、それを倒す。 これが目的B達成のおおまかなあらすじだろう。 メルゴーの乳母や、赤子、トゥメルの女王ヤーナムについては、ここでは考察しない。あくまで、おおまかなストーリーの考察を行うためである。 とにかく、狩人としての目的はこれで達成できる。 しかし、目的Aの文章からするに、それは「狩りを全うする」ことと同じではないらしい。 儀式を止めるのは、その手段なのである。 #br -''目的Aについて、その3'' これが目的B達成のおおまかなあらすじだろう。メルゴーの乳母や、赤子、トゥメルの女王ヤーナムについては、ここでは考察しない。あくまで、おおまかなストーリーの考察を行うためである。 とにかく、狩人としての目的はこれで達成できる。しかし、目的Aの文章からするに、それは「狩りを全うする」ことと同じではないらしい。儀式を止めるのは、その手段なのである。 ''・目的Aについて、その3'' 「青ざめた血を求めよ。狩りを全うするために」。いま、ここまで流れを見てきたうえで、もう一度この文章について考えてみよう。 「見たまえ!青ざめた血の空だ!」という手記があるように、赤い月が近づいている時、空は青ざめた血のような色をしている。これも言葉の意味の一つであるらしい。 ゲーム開始時には、空に赤い月は出ていないように見えるが、それは白痴のロマが儀式を秘匿していたからであり、まずそれを暴く必要がある。そして儀式を止める。このプロセスこそが、「青ざめた血の空を求める」ことの意味する事の一つである。 「青ざめた血を求めよ。狩りを全うするために」。 いま、ここまで流れを見てきたうえで、もう一度この文章について考えてみよう。 #br 「見たまえ!青ざめた血の空だ!」という手記があるように、 赤い月が近づいている時、空は青ざめた血のような色をしている。これも言葉の意味の一つであるらしい。 ゲーム開始時には、空に赤い月は出ていないように見えるが、 それは白痴のロマが儀式を秘匿していたからであり、まずそれを暴く必要がある。 そして儀式を止める。 このプロセスこそが、「青ざめた血の空を求める」ことの意味する事の一つである。 しかし、それだけでは「狩りの全う」にはならない。 #br 一体、「狩りの全う」とは何を意味するのか?いままで獣狩りの夜を戦ってきた狩人たちは、誰もそれを成しえていなかったのである。 しかし、幼年期のはじまりENDで、主人公は狩りを全うしたと考えられる。それが何故かを論じるために、まずこの世界において「狩り」とはなんなのかを考える必要がある。 しかし、幼年期のはじまりENDで、主人公は狩りを全うしたと考えられる。 それが何故かを論じるために、まずこの世界において「狩り」とはなんなのかを考える必要がある。 **狩りの全うと上位者 [#rdd915db] -''「狩り」と「獣」'' ''・「狩り」と「獣」'' Bloodborneにおいて、たびたび「人間は獣である」、というメッセージが語られる。設定から、獣性と呼ぶのが適当であろう。人のうちにある獣、それが何かの拍子で表に出てくる。それが「獣の病」なのだ。 とりわけ、ヤーナムの血の医療や、それと同じような行動が、それを助長するようであるが、この世界の人間は誰しもが獣になる可能性を秘めている。その根本的な部分をなんとかしないと、永遠に獣は人から消えない。 いくら狩人が戦っても、新しい獣が生まれる。狩人も獣になる。血の医療はそれを助長しただけであって、病の原因ではない。原因は、人が人であることなのだ。 Bloodborneにおいて、たびたび「人間は獣である」、というメッセージが語られる。 設定から、獣性と呼ぶのが適当であろう。 人のうちにある獣、それが何かの拍子で表に出てくる。それが「獣の病」なのだ。 とりわけ、ヤーナムの血の医療や、それと同じような行動が、それを助長するようであるが、 この世界の人間は誰しもが獣になる可能性を秘めている。 その根本的な部分をなんとかしないと、永遠に獣は人から消えない。 いくら狩人が戦っても、新しい獣が生まれる。 狩人も獣になる。 血の医療はそれを助長しただけであって、病の原因ではない。 原因は、人が人であることなのだ。 仕掛け武器では「獣」を本当に狩ることはできないのだ。 #br -''本当の「狩り」'' ''・本当の「狩り」'' 主人公は、青ざめた血を求めて、狩りを全うしようとしている。本当の意味での「狩り」を。輸血を受ける前の主人公がどういう人物だったのか?それはプレイヤーが各々考えることだが、主人公は獣を狩るためにやってきた。 赤い月、青ざめた血の空が出ている時に、現れるものがある。上位者だ。 主人公は、青ざめた血を求めて、狩りを全うしようとしている。本当の意味での「狩り」を。 輸血を受ける前の主人公がどういう人物だったのか? それはプレイヤーが各々考えることだが、主人公は獣を狩るためにやってきた。 #br 赤い月、青ざめた血の空が出ている時に、現れるものがある。 上位者だ。 上位者は、人には理解できない智慧を持っている。ステータス的には、それを主人公が得ると啓蒙として増えていく。 啓蒙が増えると、ステータスの獣性が減る。上位者の智慧は、獣性と相容れないものらしい。では、上位者には、獣性がないのではないか。基本的に、上位者は積極的に主人公に襲い掛かったりはしないように見える。獣のボスとは明らかに様子が違う。 白痴のロマが、瞳を授かる前にどんな風だったかは分からないが、白痴であるということが、獣性の有無にかかわっていたのではないだろうか。だから瞳を授かり、上位者になれた。広義でいえば、上位者とは白痴なのではないか? 上位者は、人間とは明らかに違う考え方を持っており、その動きも緩慢に感じる。獣性は感じられない。ウィレームはそこに憧れたのでは?彼に象徴する目を覆うような装飾は、とても禁欲的に感じる。自らの獣性を抑えることで、瞳を授かるに足る白痴であろうとしたのでは?事実、主人公が会うことのできるウィレームは、白痴そのものだ。そして、元来赤子とは、白痴のようなものではないだろうか。白痴の者は、まるで赤子のように見えないだろうか。あのロマのように。 啓蒙が増えると、ステータスの獣性が減る。上位者の智慧は、獣性と相容れないものらしい。 では、上位者には、獣性がないのではないか。 基本的に、上位者は積極的に主人公に襲い掛かったりはしないように見える。獣のボスとは明らかに様子が違う。 白痴のロマが、瞳を授かる前にどんな風だったかは分からないが、 白痴であるということが、獣性の有無にかかわっていたのではないだろうか。 だから瞳を授かり、上位者になれた。広義でいえば、上位者とは白痴なのではないか? 上位者は、人間とは明らかに違う考え方を持っており、その動きも緩慢に感じる。獣性は感じられない。 ウィレームはそこに憧れたのでは?彼に象徴する目を覆うような装飾は、とても禁欲的に感じる。 自らの獣性を抑えることで、瞳を授かるに足る白痴であろうとしたのでは? 事実、主人公が会うことのできるウィレームは、白痴そのものだ。 そして、元来赤子とは、白痴のようなものではないだろうか。白痴の者は、まるで赤子のように見えないだろうか。あのロマのように。 しかし、白痴のようにみえる赤子には、赤子にしか見えない世界があるのでは?我々人間も、そこに憧れたりしないだろうか。 主人公は三本目のへその緒を使い、上位者の知恵、瞳を授かることにより、上位者たる資質を得た。上位者同士の交友関係は分からないが、幼年期のはじまりENDで、月の魔物は主人公に上位者の智慧を感じたせいで、敵対したのではないだろうか。 #br 主人公は三本目のへその緒を使い、上位者の知恵、瞳を授かることにより、上位者たる資質を得た。 上位者同士の交友関係は分からないが、幼年期のはじまりENDで、月の魔物は主人公に上位者の智慧を感じたせいで、敵対したのではないだろうか。 戦闘に勝利した後、主人公は上位者になる。 赤い月が出ている時に、上位者が現れるなら、その逆も然り、上位者が現れているときは赤い月が出ているのであろう。メンシスの儀式がメルゴーの乳母などの上位者を呼び、赤い月が現れた。それは主人公に倒され、赤い月も消えるはずだ。 その後、月の魔物が狩人の夢に現れたから、赤い月が出た。主人公がそれを倒し、赤い月は消える。そして、主人公が上位者になり、人形がそれを抱え上げたときの空は、赤い月が出ている空、まるで青ざめた血の空だった。 赤い月が出ている時に、上位者が現れるなら、その逆も然り、上位者が現れているときは赤い月が出ているのであろう。 メンシスの儀式がメルゴーの乳母などの上位者を呼び、赤い月が現れた。それは主人公に倒され、赤い月も消えるはずだ。 その後、月の魔物が狩人の夢に現れたから、赤い月が出た。 主人公がそれを倒し、赤い月は消える。 そして、主人公が上位者になり、人形がそれを抱え上げたときの空は、赤い月が出ている空、まるで青ざめた血の空だった。 「青ざめた血を求めよ」とは結局このことではないだろうか? 「青ざめた血を求めよ、狩りを全うするために。」とは、すなわち、「上位者になれ。人から獣を消すために」。という意味ではないだろうか。主人公が上位者になったことで、どんな影響が出るのかは分からないが、上位者に獣性がないのなら、 それは希望である。上位者の赤子となった主人公は、昇華した人類の幼年期のはじまりである。 #br 「青ざめた血を求めよ、狩りを全うするために。」とは、すなわち、 「上位者になれ。人から獣を消すために」。という意味ではないだろうか。 主人公が上位者になったことで、どんな影響が出るのかは分からないが、 上位者に獣性がないのなら、それは希望である。 上位者の赤子となった主人公は、昇華した人類の幼年期のはじまりである。 幼年期のはじまりである。 *コメント [#yd0d34b3] #pcomment(,reply,10) &color(Red){''&size(20){※できるだけ改行は控えましょう。(不必要にEnterで行変えない!)};''}; &color(Red){''&size(20){※ツリー化を心がけましょう。(レス書き込む前に(&attachref(画像置場/radio.jpg,nolink,ラジオボタン);)をチェック!)};''}; #br |