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人形 のバックアップ(No.2)
考察
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| ああ、狩人様を見つけたのですね |
| ああ、小さな彼らは、この夢の住人です あなたのような狩人様を見つけ、慕い、従う… |
主人公を狩人に相応しい身体へと成長(レベルアップ)させる人形の所業は、まさしく教育者としてのイメージのもとで表現されたゲームシステムであると思われる。
しかしながら人形の背景およびゲールマンの背景を考えた時、単なる教育者という立場を超えた血の繋がらない狩人の疑似家族という構図が浮き彫りになってくる。
| でも…造物主は、被造物を愛するものでしょうか? 私は、あなた方、人に作られた人形です でも、あなた方は、私を愛しはしないでしょう? 逆であれば分かります …わたしは、あなたを愛しています。 造物主は、被造物をそう作るものでしょう? |
| これは…なんでしょうか? 私、私には何もありません、分からない、分からないのですが …温かさを感じます…こんなことは、はじめてです… 私は、おかしいのでしょうか? ああ… でも、狩人様。これは、やはり喜びなのでしょうか ああ… |
| ごく丁寧に作られ、手入れされていたであろうそれは かつての持ち主の、人形への愛情を感じさせるものである それは偏執に似て、故にこれは、わずかに温かい (人形の衣装) |
造物主と被造物の台詞は「神と神の愛の話」という前提をもとにしており、それを人形と主人公の間柄に当て嵌めたものである。
| なおトゥメルとは、地下遺跡を築いた古い種族の名であり 神秘の知恵を持った人ならぬ人々であったと言われている (トゥメルの聖杯) |
| 星の介添えたるあり方を啓示する (カレル文字「苗床」) |
| …呪う者、呪う者。幾らいても足りはしない 呪いと海に底は無く、故にすべてがやってくる さあ、呪詛を。彼らと共に哭いておくれ 我らと共に哭いておくれ… |
| だから奴らに呪いの声を 赤子の赤子、ずっと先の赤子まで |
| カインハーストの意匠が見てとれる 不死の女王、その傍系にあたる彼女は (マリアの狩装束) |
| 獣の病に塗れたローランに生まれた、落とし子たちの遺体 それは冒涜の象徴であり、呪いを呼ぶ (ローランの落とし子) |
| 上位者と呼ばれる人ならぬ何者か 彼らが特別な意味を込めた婚姻の指輪 古い上位者の時代、婚姻は血の誓約であり 特別な赤子を抱く者たちのみに許されていた (婚姻の指輪) |
| 呪いとは、上位者の怒りに触れた証であり、呪詛であり (冒涜の聖杯) |
人形の容姿や女狩人マリアを打倒したときに聴ける台詞から、人形はマリアに似せて作られたものだと考えられる。
| 狩人様。おかしなことを聞いて宜しいでしょうか …私は、どこか変わりましたか? 先ほど感じられたのです。私のどこかで、どこか中で、重い枷がはずれるのを 不思議ですね。元より、私のどこにも、枷などありませんでしたのに |
| だが彼女は、ある時、愛する「落葉」を捨てた 暗い井戸に、ただ心弱きが故に (仕掛け武器「落葉」) |
漁村での一件は外形ばかり模すビルゲンワースが内に瞳を得ているかどうかというウィレームの抽象的な表現を具体的なものとして捉えてしまい、実際に頭の中を割って中身を確認してしまったという愚行である。
こういった経緯から察するに、ビルゲンワースはまず上位者か否かについて即時的な判断材料をもとにしていたと考えられ、それがいわゆる外形、つまり漁村民の見た目という部分をもとに実行したものと思われる。
当然ながら頭の中に実際に瞳などあるはずもなく、ビルゲンワースはただ殺戮行為をしただけという結果になったがこの構図はそのまま獣狩りの構図と同じである。
獣狩りという行為においても、狩る対象の判断材料となっているのは同じように外形である。
すなわち漁村での虐殺行為と獣狩りを行う狩人たちの本質的な部分は同じであり、マリアはその事実に耐えきれなかったと考えられる。
自らも同じことをしているのだと。
| 知識でもなく、哲学でもなく、外形ばかりを模するなど 学長ウィレームの憂いはいかばかりであろうか (学徒の服) |
| 蹂躙された漁村の住人、その頭蓋骨 おそらくは、頭蓋の内に瞳を探したのだろう 過酷な仕打ちの後が、無数に存在する (呪詛溜まり) |
マリアが漁村での一件によって狩人をやめたことは、デュラが獣狩りを放棄したことと似ている。
しかしマリアの場合はデュラと違って同業者でもある狩人に対して恨みや復讐心といったものは抱えず、更に言えばビルゲンワースが秘密にしていた漁村での一件を秘密のままにするために主人公に刃を向けたりもした。
主人公との戦闘は夢の中での出来事であるため、現実では恐らくは戦闘前の出で立ちからするに自殺を選んだと思われるが、彼女の内臓攻撃に暴力的な側面が感じられないところや、最後までビルゲンワースの秘密を守り通そうとした描写からするに、
彼女自身、獣狩りも狩人も必要なことは承知なうえで、最後までビルゲンワースないしゲールマンを否定せず、
しかし己の心の悲鳴まではどうしようもなかったという心情が垣間見える。
それこそテキスト通りの「心弱きが故に」といったところだが、同時にそれは獣狩りが同族殺しとして無理解に正当化されるべきではないという考えのもとに辿り着いた己の答えだとも言え、
ゲールマンが考える弔いとしての狩りに必要不可欠な他者を想うことそのものであると言える。
| 死体漁りとは、感心しないな だが、分かるよ。秘密は甘いものだ だからこそ、恐ろしい死が必要なのさ …愚かな好奇を、忘れるようなね |
ゲールマンが唱える弔いの狩りを広める狩人の夢で仕えていること。
狩人らしからぬ優しさを持っていたマリアに似せて作られた人形が狩人の夢で主人公の世話をしている構図は、狩人にとっての母を彷彿とさせる。
| 自ら上位者たる赤子となった証。 (「幼年期の終わり」トロフィー説明文) |
何も感じず、ただ役割だけに従事していた人形が、
「愛すること」という感情を主人公や髪飾り等を通して抱いていき、
やがて本当に愛するようになっていく彼女の物語は、作品における上位者のコンセプト「赤子を求めている」という理由の答えを指し示しているのかもしれない。
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